配偶者貸付を利用して専業主婦(夫)がお金を借りる手順・必要書類とは
更新日:2024/03/18
配偶者貸付とは、専業主婦(夫)が配偶者と合わせた年収3分の1以下の借入ができる制度です。
日本の貸金法上では貸金業者から年収の3分の1以上のお金は借りられない、総量規制というルールがあります。
総量規制上では所得のない専業主婦(夫)は返済能力がないとみなされ、お金が借りられません。
専業主婦(夫)でも借入の必要があることを踏まえて、配偶者の同意があれば専業主婦(夫)も借入可能となるのが、配偶者貸付です。
この記事では、配偶者貸付の詳細や利用するための手順に必要書類、さらに専業主婦(夫)が配偶者貸付以外でお金を借りる方法について解説しています。
生活費などでお金が必要な専業主婦(夫)の人は、ぜひ参考にしてください。
総量規制の例外として配偶者貸付がある
配偶者貸付は、専業主婦(夫)を対象とした総量規制の例外的制度で、本人と配偶者の年収合計3分の1以下までの貸付が可能になります。
配偶者貸付の具体的な例を見てみましょう。
▼ケース1:夫婦2人に借入がない場合
▼ケース2:夫に借入がある場合
総量規制で借入できるのは、複数社からの借入残高も含めての年収1/3以下までです。
ケース2は年収での利用可能枠な200万円から、50万円の旦那さんの借金を差し引いた150万円が可能な借入額になります。
配偶者貸付を利用する場合、複数社からの借入残高も含めて、年収1/3以下におさえることを覚えておきましょう。
次に、配偶者貸付を利用するさいに必要な条件について解説します。
配偶者貸付の必要書類などの条件
配偶者貸付を利用するには、以下の条件や書類が必要になります。
- 配偶者の同意書
- 婚姻関係証明書類(住民票や戸籍抄本など発行3カ月以内のもの)
- 婚姻証明ができない事実婚の場合は、住民票(続柄に、「夫(未届)」、「妻(未届)」など、未届の配偶者である旨の記載があるもので発行3カ月以内のもの)
- 50万円以上の借入限度額には、配偶者の収入証明書(源泉徴収票、確定申告書など)
必要書類のなかに配偶者の同意書が含まれるため、配偶者にバレずに配偶者貸付を使ってお金を借りることはできません。
実際に配偶者貸付を利用できる貸金業者は限られています。
次は気軽にお金を借りられる業者としてまず挙がる、消費者金融における配偶者貸付について解説します。
消費者金融には配偶者貸付がない
大手消費者金融の場合、配偶者貸付は利用できません。
以下の表のように、いずれの消費者金融も契約者本人に安定収入があることを貸付条件にしているからです。
消費者金融名 | 利用条件 |
---|---|
プロミス | 契約者に安定した収入があること |
アコム | 配偶者の同意以外に、契約者に安定した収入があること |
SMBCモビット | 契約者に安定した収入があること |
アイフル | 契約者に収入がないと、新規での契約は不可 |
契約者は収入のない専業主婦(夫)本人となるため、残念ながら大手消費者金融では配偶者貸付を利用できません。
消費者金融が配偶者貸付をしない理由
大手消費者金融が配偶者貸付を行わない理由は“手間と労力に対して割が合わないから”だと考えられます。
配偶者貸付の利用には、配偶者の同意書に夫婦関係証明書、配偶者の年収証明書など多くの必要書類があります。
さらに所得のない専業主婦(夫)は、多くの貸付利用が期待できません。
書類チェックや審査の手間と労力、また利用状況の割が合わないことから、配偶者貸付を設けていないところが多いのです。
銀行カードローンには配偶者貸付が利用できるものがある
結論から言えば、銀行カードローンなら専業主婦(夫)も借入できます。
銀行カードローンは総量規制対象外
銀行カードローンの一部で配偶者貸付制度が適用されています。
貸金業法ではなく銀行法が適応となる銀行カードローンは、総量規制の対象とはならないためです。
理論上は年収0の専業主婦(夫)でも借り入れできる一方、銀行にとっては貸し倒れのリスクが高くなります。
貸し倒れリスクを回避するために、銀行カードローンでは配偶者貸付制度を適用しているのです。
なお、消費者金融とは異なり、年収額によって借入上限は設けられません。
主な銀行カードローンにおける配偶者貸付の可否
銀行によって配偶者貸付への対応は分かれています。
銀行名 | 利用条件 | 可否 |
---|---|---|
三井住友銀行カードローン | 契約者に安定した収入があること | 否 |
住信SBIネット銀行カードローン | 契約者に安定した収入があること | 否 |
イオン銀行カードローン | ご本人または配偶者に安定かつ継続した収入の見込める方 | 可 |
PayPay銀行カードローン | 配偶者に安定した収入があればお申し込みいただけます。 | 可 |
銀行カードローンでは一部で配偶者貸付に対応している場合があります。
一方で、配偶者貸付では配偶者の同意が必要なため、できればバレずにお金を借りたい、という人も多いでしょう。
次に、銀行カードローンの配偶者貸付以外で専業主婦(夫)がお金を借りる方法を解説します。
専業主婦(夫)がお金を借りる3つの方法
銀行カードローンの配偶者貸付以外で、専業主婦(夫)がお金を借りる方法は主に3つあります。
- 主婦(主夫)向けカードローンを利用する
- パートなどで収入を得る
- クレジットカードのキャッシングを利用する
主婦(夫)向けカードローンを利用する
専業主婦(夫)を含めた女性専用カードローンである、レディースローンを利用する方法があります。
区分上消費者金融カードローンにあたり、対応スタッフも全員女性です
あらゆる女性への融資実績も豊富なため、専業主婦(夫)でも柔軟に審査をしてくれるレディースローンもあります。
パートなどで収入を得る
パートやアルバイトなど、本人所得があれば消費者金融での申し込みが可能です。
専業主婦(夫)ではなくなりますので、銀行カードローンも含めた借入先の選択肢も大きく広がります。
クレジットカードのキャッシングを利用する
独身時代に作ったクレジットカードのキャッシング枠を使ってお金を借りる方法があります。
ただし、クレジットカードのキャッシング金利はカードローンよりも高いです。
使い過ぎに注意し、計画的に返済できる範囲での借入を心がけましょう。
また、クレジットカードのキャッシングを利用すると、その分買い物で使えるショッピング枠の利用額が減ります。
普段のお買い物や、公共料金支払いなどでクレジットカードを利用している場合にも、キャッシングで利用する額に注意しましょう。
お金に困っている専業主婦(夫)の方は、国や自治体の支援や援助制度を利用するのも手です。
たとえば新型コロナウィルスの影響で収入が減った、子どもの在宅が増えて生活費が増えた、などで生活費が足りない場合に利用できる給付制度などもあります。
制度が利用できない、あるいはすぐにお金がほしいという場合のみ、銀行カードローンなどで配偶者貸付を利用するといいでしょう。
まとめ
配偶者貸付では、配偶者の同意があれば、収入のない専業主婦(夫)も借入可能です。
配偶者貸付を利用するには、以下の条件や書類が必要になります。
- 配偶者の同意書
- 婚姻関係証明書類(住民票や戸籍抄本など発行3カ月以内のもの)
- 婚姻証明ができない事実婚の場合は、住民票(続柄に、「夫(未届)」、「妻(未届)」など、未届の配偶者である旨の記載があるもので発行3カ月以内のもの)
- 50万円以上の借入限度額には、配偶者の収入証明書(源泉徴収票、確定申告書など)
配偶者貸付を実施している金融機関か確認してから申し込みましょう。