カードローンでも使われるスコアリングとは?わかりやすく仕組みを解説
更新日:2024/05/28
スコアリングとは、わたし達の年齢や年収、職業や家族構成などのあらゆる要素を機会が点数化する審査方法です。
金融サービスの契約の可否や金利設定はスコアリング結果がかなり影響するので、直近クレカやローンの利用予定がある人はスコアリングについての知見を深めておきましょう。
また、世界的にみればこのスコアリングは、近年、住宅の賃貸や売買にかかわる取り引きや企業の採用活動などにも活用され始めています。
スコアリングについて勉強することは、クレカやローン審査に限った話ではなく、今後の社会生活のために重要なことでもあるんです。
この記事ではスコアリング審査について詳しく解説します。
スコアリングって一体なんなの?
金融機関のサービスを利用するためには、そのサービスを利用するに見合った信用力が利用者に求められます。
信用力とは、個人が社会人としてどれだけ信用における人物なのかを示す能力のこと。
この信用力を審査するために金融機関が用いるのが、スコアリングです。
最近ではスコアリング審査のおかげで、最短15秒で審査結果がわかるカードローンも登場しました。
各カードローンの審査時間は以下をご覧ください。
カードローン名 | 審査時間 |
---|---|
プロミス | 最短3分 |
アコム | 最短20分※ |
レイクALSA | 仮審査は最短15秒回答 |
SMBCモビット | 10秒で簡易審査回答 |
アイフル | 最短18分 |
※ お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。
スコアリングは信用力の点数化
わたし達の信用力は、属性と呼ばれる年齢や年収・職業といった基本的な個人のスペックと、信用情報機関に登録されている信用情報をもとに評価されます。
スコアリングによる審査では、これらの属性や信用情報がコンピューターやマニュアルに沿って徹底的に点数化され、可視化されていきます。
スコアリング方式が開発される以前の審査では、わたし達の信用力はすべて審査担当者の経験と勘によって評価されていました。
ただし人の目による審査では、審査担当者によって評価の厳しさや処理するスピード力に差異が生まれてしまいますよね。
この審査の公平性や効率性といった問題を解決したスコアリング方式は、現代ではほぼすべてのクレジットカードやローン審査に活用されているのです。
スコアリングが活用されるのはローン審査だけじゃない
スコアリング方式によって点数化されるわたし達の信用力は、世界的にはクレジットスコアと呼ばれ、ローンなどの審査に限らずあらゆる場面でビックデータとして活用されています。
特にアメリカでは、賃貸契約や携帯購入、はたまた企業の採用活動までにもクレジットスコアが生かされ始めています。
アメリカでは日本と比べてクレジットカードの普及率が高いためにこのような仕組みが成り立っているわけですが、実は日本においても通販サイトの普及などで若年層のクレジットカード契約数は年々上がってきています。
日本クレジット協会の調査によると、今や大学生のは61.6%自分名義のクレジットカードを持っているとのこと。
わたし達の国でも今後クレジットスコアが幅広い分野に活用されていく可能性は十分にあるでしょう。
自分の信用力を高めておくことは、今後クレジットカードやローンを利用するか否かに関わらずすべての人が意識しなければならないことなのです。
信用力を点数化するスコアリングの手法
スコアリングでは、主にコンピューターによって個人の信用力が点数化されていきます。
属性のスコアリング | コンピューターによって処理される |
---|---|
信用情報のスコアリング | 審査担当者によって信用情報が照会され、その後コンピューターによって処理される |
ローンなどの審査に申し込むときには、まず申込書ないしインターネットの申込フォームに自分の属性(年齢や職業などの基本的なスペック)を書き込んでいきますよね。
このとき自己申告した内容は、すぐにコンピューターによってスコアリング審査にかけられ、瞬時に点数化されるのです。
このコンピューター審査は、いわばクレジットカードやローン審査の第一関門。
一部のカードローンにはインターネットから申し込むことで瞬時に仮審査結果が受けられるというサービスがあるのですが、こういった仮審査結果には主にコンピューター審査の結果が表示されています。
コンピューターによるスコアリング審査に通過した人は、次に審査担当者とコンピューターによるスコアリング審査にかけられます。
審査担当者による審査では、申込者の信用情報が照会され、過去に金融事故を起こしていないか、現在他社からいくら借り入れているか、といった記録がチェックされていきます。
信用情報とは、個人の信用情報機関に保管されている金融商品などの利用・借り入れ・返済履歴や債務整理などの履歴のコト。
他社での借入状況に関しては、申込書や申込フォームなどでも簡単に自己申告させられますが、詳細かつ正確な情報はこのときに照会されます。
仮に自己申告のときに他社借入状況をサバ読んでいたとしたら、審査担当者にはこの段階で必ずバレてしまいます。
こんなことで信用を失わないためにも、自己申告は正確にしておきましょう。
申込者の信用情報が照会できたら、審査担当者はその内容をコンピューターに入力し、採点していきます。
以上の流れが、スコアリング審査で一般的にとられている手法です。
スコアリングが活用されるローンの種類
審査にスコアリング方式が活用されるローンは、カードローン審査、クレジットカードのキャッシング枠の審査、住宅ローンの審査、そして小規模事業者向けの事業性融資の4種類がメインとなっています。
このうち個人向けの融資で特にスコアリングが積極的に活用されているのは、カードローン審査とクレジットカード審査の2種類のローンのみ。
住宅ローンでは、約40.4%の金融機関がスコアリング以外の審査方式を採用しているのが現状です。
スコアリングの審査基準
スコアリングでは、個人の属性や信用情報に対して点数が配分され、その合計点が個人のクレジットスコア(信用力)として評価されます。
下記の表はあくまでも一例ですが、具体的にはこのように属性や信用情報に対して点数が割り当てられていると思っておいてください。
個人の属性や信用情報の配点例
属性や信用情報 | 配点 |
---|---|
年収:100万円台 | 10点 |
年収:200万円台 | 20点 |
年収:300万円台 | 30点 |
勤続年数:半年以下 | 5点 |
勤続年数:1年以下 | 7点 |
勤続年数:2年以下 | 20点 |
滞納履歴:90日以上 | 0点 |
滞納履歴:30日以内 | 10点 |
滞納履歴:なし | 30点 |
各属性や信用情報への配点は、金融機関や商品ごとに異なります。
というのも、「年収300万円の個人にはどの程度の信用力があるか」「勤続年数3年以上の個人にはどの程度の信用力があるか」といった評価軸は、各金融機関がこれまで個別に培ってきた顧客のビックデータから割り出されるからです。
金融機関や商品が違えば、とうぜんそれを利用する顧客層も違ってきます。
顧客層が違えば評価軸も変えなければならないので、スコアリングの配点もその時々によって違ってくるのです。
顧客のビックデータにもとづくスコアリングの配点は、金融機関にとっては外部に流出させられない大切なノウハウです。
そのため、その明確な基準は社内機密となっており、わたし達消費者が知ることはできません。
下記は”一般的に予想されている審査基準”をもとにまとめたスコアリングの評価基準です。
個人の属性に対する一般的なスコア基準
年齢 | 60歳以降は加点が少なくなるとされているが、対象年齢を満たしていれば特に問題はない |
---|---|
年収 | 多いほど良い |
勤務先 | 大手企業・国や自治体>中小企業>個人事業主 |
勤続年数 | 長いほど良い |
雇用形態 | 正社員>事業主>契約・派遣社員>アルバイト |
職業 | 公務員>医師>会社員>自営業>フリーター>無職 |
居住形態 | 持ち家(自己名義)>持ち家(家族名義)>賃貸・社宅 |
居住年数 | 長いほど良い |
家族構成 | 親・配偶者・子と同居>一人暮らし |
電話 | 携帯・固定両方>固定・携帯いずれか |
保険の種類 | 共済保険>組合健康保険>社会健康保険>国民健康保険 |
信用情報のスコア基準は米国のFICOスコアが基礎になっている
現在日本で使われているスコアリング方式のうち、信用情報に関するスコアリングシステムは、元々アメリカのフェアアイザック社が開発したFICOスコアと呼ばれるスコアリングシステムが基礎になっています。
FICOスコアの評価軸はあくまでもアメリカ社会に適したものなので、日本においても全く同じ評価軸が採用されているわけではありませんが、日本のスコアリングを理解する上で参考にできることは間違いありません。
特にクレジットカードのようは国際的なサービスのスコアリングでは、FICOスコアの評価軸が大きく影響していると考えてよいでしょう。
FICOスコアでは、個人の信用力が300~850点のあいだで加点方式で採点され、評価は5段界評価、評価軸はおもに下記の4種類となっています。
280~559点 | 劣 |
---|---|
560~659点 | 可 |
660~724点 | 並 |
725~759点 | 良 |
760~850点 | 優良 |
※平均点680~700点。
FICOスコア評価軸(1)支払・返済履歴
日本のスコアリング方式の基礎となっているFICOスコアの最重要評価軸は、クレジットカードや、カードローンを始めとするローンの支払い履歴(返済履歴)です。
期日までに支払いないし返済を済ませている場合は大きな加点がもらえますが、延滞履歴がある場合には加点点数が減点されてしまいます。
延滞履歴がある場合、評価基準となるのは延滞期間の長さとサービスの利用期間、延滞時期、延滞回数の4点。
延滞日数が長かったり、短期利用のサービスにも関わらず延滞していたり、直近の延滞であったり、何度も延滞を繰り返していたりすれば、その分加点はもらえなくなってしまいます。
FICOスコアの評価軸(2)クレカやローンの利用率
返済履歴と同じく、FICOスコアに大きな影響を及ぼすのが、クレカやローンの利用率の多さです。
利用頻度や利用金額が多かったり、利用限度額ギリギリまでお金を借りていたり、複数のサービスから借り入れがあったりすると、その分スコアリング評価は下がります。
クレカやローンの利用率が高すぎると、それらのサービスに生活が依存してしまっているとみなされてしまうのです。
FICOスコアの評価軸(3)クレカやローンの契約数・契約期間
滞納や依存しすぎなどのマイナス情報さえなければ、クレカや各種ローンの契約数が多いことは加点対象になります。
豊富な金融機関と契約できるということは、それだけ個人の信用力が評価されてきた証拠となるからです。
ひとつのサービスでの契約期間が長いということも、同じく金融機関から信用されていることの証明となります。
FICOスコアの評価軸(4)直近のクレカやローンの申込・契約数
直近のクレカやローンの申込数、契約数は少ないほど加点がもらえます。
なぜなら、一度にたくさんの金融審査に申し込むことは、通称「申し込みブラック」と呼ばれ、信用力に自信がないことの現れとみなされてしまうからです。
申し込みブラックに関しては以下の記事で解説しています。
短期間でのクレカやローンの契約数がおおいことも、「満足な利用限度額をもらえなかったのではないか」とみなされるため、マイナス評価の原因となります。
スコアリングに合格すれば誰でもローンが組めるの?
スコアリング審査は申込書や入力フォームにて自己申告した属性と、信用情報期間に登録されている信用情報との採点によって結果がでます。
カードローンやクレジットカードのキャッシング枠のように融資額が低いローン審査ではこの時点でほぼ審査結果が決まるといっても過言ではありません。
いっぽうで低金利な銀行カードローンやステータスの高いクレジットカード、高額取り引きの住宅ローンや中小企業向けの事業性融資においては、スコアリング審査とあわせて審査担当者による独自審査が行われるのが基本です。
こういったローンでは審査時間に2日~1週間ほどかかることがあるので、いつまでに申し込みを済ませておくべきか、融資が必要になる時期から逆算しておくようにしましょう。
なお、ローン審査ではスコアリング以外に必ず在籍確認が実施されます。
在籍確認がクリアできなければ、スコアリングや人の目による審査で十分な信用力が貰えても契約手続きには進めません。
在籍確認の方法は、金融機関から職場への電話連絡が一般的です。
一部の審査では給与明細書や社会保険証などの提出で在籍確認を済ませてもらえることもありますが、基本的に在籍確認には職場への電話連絡が必要になると覚えておきましょう!
まとめ
スコアリングはクレジットカードやカードローン、中小企業向けの事業性融資や一部の住宅ローン審査で活用されている最先端のコンピューターによる審査システムです。
細かな評価基準は金融機関ごとに異なりますが、申込者の年齢、年収、家族構成、職業などをもとに信用力が点数化され、その合計点によって融資の可否や金利・限度額などの融資条件が決められます。
スコアリングについて知っておくことは、クレカやローン審査、ひいては社会生活を有利に進めるうえで非常に重要なこと。
myscoreのような信用力診断サイトを活用すれば、簡単にスコアリングをお試しできますから、ぜひチェックしてみてくださいね!
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