住宅ローンは消費者金融の完済直後でも組めるのかわかりやすく解説
更新日:2024/03/18
消費者金融からの借り入れがあると、住宅ローンを組むことは難しいと言われています。
それは、毎月の返済負担が増え、住宅ローンを払えなくなる可能性が高まるからです。
しかし、消費者金融からの借り入れを遅延・滞納なく完済し、解約した後であれば大きな心配はいりません。
事実筆者も、プロミス・アイフルの2社のカードローンと契約していますが、メガバンクの住宅ローン審査に通過できました。
この記事では、消費者金融からの借り入れが住宅ローンの審査にどう影響するのかを、FP監修のもとに紹介していきます。
消費者金融からの借り入れを解約しているなら住宅ローンを組める
消費者金融からの借り入れを完済していれば、住宅ローンを組めます。
ただし、遅延や滞納することなく完済、さらにカードローンなどを解約していることが条件です。
遅延や滞納は信用情報に2年~5年記録される
返済の遅延や延滞をしたことがあるなら、完済していても直後の住宅ローンの申し込みは悪影響を及ぼします。
遅延の記録は返済完了後から2年、さらに61日以上の遅延は異動情報(金融事故)扱いとなり返済完了後から5年、信用情報として残るからです。
- 各機関の登録期間はどれくらいか
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機関名 信用情報の登録期間 CIC 契約期間中および契約終了後5年以内 JICC <延滞(遅延)等>
契約継続中及び契約終了後5年以内<債務整理等>
契約日2019/9/30以前
当該事実の発生日から5年を超えない期間
契約日2019/10/1以降
契約継続中及び契約終了後5年以内KSC <ローンやクレジットカードなどの取引情報>
契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間<官報情報>
当該決定日から10年を超えない期間
もし返済の遅延や延滞をした経験があれば、完済直後、情報が消える2年間から5年間ほど待って住宅ローンを申し込むようにしましょう。
情報が消えるまでどのくらいかかるか分からないときは、信用情報機関へ情報開示請求をすれば自分の信用情報が把握できます。
2級FP田中
信用情報機関のなかでも、CICならインターネットを通じて開示請求が可能で回答も早く、便利です。
完済後は必ず解約すること
完済してもカードローンを契約したままだと、住宅ローンに影響を及ぼします。
完済しても解約しなければ常にお金を借りられる状況のため、債務者であることに変わりないからです。
カードローン完済後は必ず解約しましょう。
ただし、信用情報に遅延の記録があるなら、遅延の情報が消える2年待ってから解約するのがベストです。
カードローンの解約方法
カードローン会社へ解約したい旨を電話で伝えれば解約できます。
ほとんどの場合書類などは必要ありません。
カードローン会社の公式サイトなどで、解約手続きについて確認しておくとより確実です。
解約のメリットとデメリット
カードローンを解約した場合、以下のメリットとデメリットがあります。
- 信用面でプラスになる
- 使い過ぎを防げる
- また利用するときはもう一度審査を受ける
- 借り入れまでに時間がかかる
- 解約後一定期間契約できないことがある
カードローンを解約すれば、いつでも借りられる状態、つまり債務者と同じ状態ではなくなるので信用面でプラスになります。
また住宅ローンを利用するまえに完済、そして解約をすればお金を借りたくても借りられない状態になるので、使い過ぎも防げます。
しかし解約後に同じカードローンを利用する場合、新規申込と同じくもう一度審査を受けなければなりません。
年収やほかの借入状況などに応じて、今度は審査に通らない場合もあります。
また、実際に借り入れるまでにカードローンの申し込みから契約を挟むので、必要なときにすぐに借りられる、という状況ではなくなります。
さらに、カードローンによって解約後一定期間は再契約ができないものもあるので、解約をするときはカードローンを提供している会社の規約を確認しておきましょう。
消費者金融からの借り入れは正直に話すこと
完済していても返済中でも、住宅ローンの申込時は必ず消費者金融からの借り入れのことを正直に話しましょう。
信用情報は住宅ローン審査で必ずチェックされるからです。
2級FP田中
もしも借り入れを隠すなど嘘をつけば、信用をなくし住宅ローン審査に悪影響を及ぼします。
しかし消費者金融から借り入れがあっても住宅ローンに通ることはあります。
つづいては、住宅ローン審査で重要となる、返済負担率について解説します。
住宅ローン審査で見られるのは返済負担率
住宅ローン審査では、返済負担率が重視されます。
消費者金融からの借り入れが住宅ローン審査に影響するのは、申込者の返済負担率が上がってしまうからです。
申込者の返済負担率が上がると、住宅ローンの融資が受けられない、または借入額が下がる可能性があります。
カードローンを解約すれば返済負担率が下がるため、住宅ローン審査の通過に対して大きな心配はなくなるでしょう。
住宅ローン審査における理想の返済負担率について解説します。
返済負担率とは
返済負担率とは、年収の内どのくらいがローン返済に充てられているかの割合を指します。
返済負担率は以下の算出方法です。
下の計算例をご覧ください。
100÷400×100=25%
理想の返済負担率は月収の30%以下
住宅ローンの借り入れにおける、理想の返済負担率は月収の30%以下です。
これは家を借りるときの家賃に対しても「月収の3割以下が望ましい」とよく聞きませんか?
家賃は月収の中でもかなりの割合を占めますよね。
家計が苦しくならないためにも返済負担率が月収の30%以下になるように住宅ローンを組むのが望ましいでしょう。
返済負担率30%を超える人は少ない
実際に住宅ローンを利用している人も、ほとんどが返済負担率30%以下におさえた借り入れをしています。
独立行政法人住宅金融支援機構の住宅ローン利用者を対象とした調査によると、返済負担率15~20%の利用者の割合が全体の約27%と最も多くなりました。
次に20~25%、10~15%、25~30%と続き、返済負担率30%以下の利用者で全体の約90%を占めています。
返済負担率30%超えの住宅ローン利用者は、全体の10%程度しかいないのです。
調査結果からも、住宅ローン利用者の大半が30%以下の返済負担率の借り入れであると分かります。
フラット35の返済負担率も年収400万円未満なら月収の30%以内が理想
固定金利の住宅ローン、フラット35は利用条件に年収による返済負担率を挙げています。
- 年収400万円未満…返済負担率30%以下
- 年収400万円以上…返済負担率35%以下
もちろん、年収400万円以上でも返済負担率が低ければ低いほど審査に有利です。
返済負担率を30%以内におさえれば、消費者金融からの借り入れがあっても住宅ローンに通る可能性があります。
では最後に、実際に消費者金融から借り入れがあったものの、住宅ローン審査に通った方の事例を見てみましょう。
消費者金融からの借り入れがあった人で住宅ローンに通った人はいるのか
消費者金融で借り入れたことがある人が住宅ローンに通るのか、気になりますよね。
ヤフー知恵袋で、消費者金融からの借り入れを完済後に住宅ローンを組んだ人がいたのでピックアップしました。
住宅ローンの審査で
過去に
アイフルとレイクから借金をしていたら
審査に通らないと聞いたのですが、本当ですか?
完済して、解約をしていれば大丈夫です。自分は、20年前に消費者金融で借りて、12年後に解約しました。
審査の厳しいという地方銀行で満額融資もらいました。
消費者金融に返したが、解約してなくて融資断る銀行あると聞きます。
あと、返済してなくて過払い請求すると異動つくので辞めた方いいですよ
上記の回答者は、消費者金融から借り入れていたものの、解約していたこともあり、無事審査に通過できたようです。
消費者金融からの借り入れがあっても、しっかり完済して、解約も済ませているのであれば、心配しすぎることはなさそうですね。
まとめ
消費者金融からの借り入れがあった人でも、解約していれば問題なく住宅ローンは借り入れできます。
住宅ローン審査で見られるのは、借金をした事実ではなく返済負担率だからです。
ただし、信用情報に返済の遅延や異動の記録がある場合は審査が厳しくなります。
遅延・異動の情報が消えてからカードローンを解約、その後住宅ローンに申し込みましょう。
自分の信用情報がどのようになっているか、いつ情報が消えるか把握するには、信用情報の確認が必要です。
信用情報機関に開示請求を行い、信用情報を確認してみましょう。
田中 宏一郎
住宅ローンの審査では、返済負担率が重視されます。
仮に消費者金融からの借り入れがあったとしても、返済負担率が30%を下回っていれば、住宅ローンを借りれるチャンスは残っていると考えてください。
ただ、完済して解約してからの方が、審査通過の確立はアップします。
解約しても問題ない場合は、消費者金融からの借り入れを解約してから、住宅ローン審査にのぞまれることをおすすめします。
2級FP田中