三井住友銀行カードローンの返済額を増やすには?返済シミュレーションの活用術を解説

更新日:2024/04/15

三井住友銀行カードローンの返済額と返済シミュレーション

三井住友銀行が発行するカードローンは、消費者金融カードローンと比べて金利が低めという点や10万円の限度枠から利用できるなど、初めてカードローンを利用する人に人気がある銀行カードローンです。

三井住友銀行カードローンの返済は残高スライド方式のため、借入残高に応じた最低返済額が決められています。

残高が一定金額以上になると最低返済金額も増える仕組みのため、「利息ばかり支払って元金が減らない」という心配もありません。

この記事では、借入金額や返済額によってどのような違いがあるのか、残高に応じて返済額がどのように変化するのかなど、返済シミュレーション付きで具体的に解説します。

この記事の執筆
2級FP技能士 田中 宏一郎 氏
アトムくん編集長_田中
2級FP技能士。これまでに5社の消費者金融カードローン(アコム・プロミス・アイフル・SMBCモビット・LINEポケットマネー)、3社の銀行カードローン(楽天銀行スーパーローン・三井住友銀行カードローン・みんなの銀行ローン)と契約。過去には父の借金で一家離散を経験するも、奨学金のおかげで大学進学。奨学金の完済と同時に住宅ローンの返済がスタート!借金の酸いも甘いも知るアトムくんの編集長。

三井住友銀行カードローンの毎月の返済額

三井住友銀行カードローンの返済額は、10万円の借り入れで最低2,000円からの返済と決まっている残高スライド方式なので、借入残高が大きいほど毎月の返済額も大きくなります。

借入残高に対する、約定返済額(最低返済額)を表で作成しました。

借入残高に対する、約定返済額(最低返済額)
借入残高 約定返済金額 返済金額単位
1円~1,999円 借入残高全額
(2,000円が上限)
2,000円単位
2,000円~10万円 2,000円
10万1円~20万円 4,000円
20万1円~30万円 6,000円
30万1円~40万円 8,000円
40万1円~50万円 1万円 1,000円単位
50万1円~60万円 1万1,000円
60万1円~70万円 1万2,000円
70万1円~80万円 1万3,000円
80万1円~90万円 1万4,000円
90万1円~100万円 1万5,000円
100万1円~110万円 1万6,000円
110万1円~120万円 1万7,000円
120万1円~130万円 1万8,000円
130万1円~140万円 1万9,000円
140万1円~150万円 2万円
150万1円~160万円 2万1,000円
160万1円~170万円 2万2,000円
170万1円~180万円 2万3,000円
180万1円~190万円 2万4,000円
190万1円~200万円 2万5,000円
200万1円~210万円 2万6,000円
210万1円~220万円 2万7,000円
220万1円~230万円 2万8,000円
230万1円~240万円 2万9,000円
240万1円~250万円 3万円
250万1円~260万円 3万1,000円
260万1円~270万円 3万2,000円
270万1円~280万円 3万3,000円
280万1円~290万円 3万4,000円
290万1円~300万円 3万5,000円
300万1円~310万円 4万円 5,000円単位
350万1円~400万円 4万5,000円
400万1円~450万円 5万円
450万1円~500万円 5万5,000円
500万1円~600万円 6万円
600万1円~700万円 6万5,000円
700万1円~800万円 7万円

返済額は利息含みの金額

カードローンに限らず他の融資商品でも同じですが、お金を借りれば必ず利息が発生します。

借入利率(年利)は以下の表のとおりです。

契約限度額と借入利率(年利)
契約限度額 借入利率
100万円以下 年12.0%~14.5%
100万円超200万円以下 年10.0%~12.0%
200万円超300万円以下 年8.0%~10.0%
300万円超400万円以下 年7.0%~8.0%
400万円超500万円以下 年6.0%~7.0%
500万円超600万円以下 年5.0%~6.0%
600万円超700万円以下 年4.5%~5.0%
700万円超800万円以下 年1.5%~4.5%

利息を計算するには「借入残高×金利÷365×借入日数」の計算式を使います。実際に2種類のパターンで計算してみます。

【年利14.5%で10万円を30日間借り入れた場合】

10万円✕年14.5%÷365日✕30日=1,191円(支払い利息)
最低返済額2,000円-1,191円=809円(元金)

【年利12.0%で150万円を30日間借り入れした場合】

150万円×12.0%÷365日×30日=1万4,790円(支払利息)
最低返済額2万円-1万4,790円=5,210円(元金)

三井住友銀行カードローンの毎月の返済額には利息が含まれています。

最低返済金額で返済を続けていると、残高がなかなか減らないので利息負担が大きくなることがわかります。

三井住友銀行カードローンの返済計画にはシミュレーションの活用が必須

同じ利率で借り入れしても、借入金額によってローンの支払い金額や支払い期間が異なります。

次に返済金額ごとにトータルの返済額がどれくらい変わるか、公式サイトの返済シミュレーションを利用し、さまざまなケースで確認してみましょう。

借入金額10万円の返済シミュレーション

借入金額10万円の返済シミュレーション
返済金額/月 返済期間 返済総額 累計利息
2,000円
※約定返済額
78か月(6年5か月) 15万3,319円 5万3,319円
4,824円 24か月(2年) 11万5,789円 1万5,789円
1万円 11か月 10万7,227円 7,227円

※金利年14.5%で算出

借入金額が10万円と少ない場合は、1年もしくは2年程度で返済計画を立てたのであれば、累計利息は驚くほど大きな違いにはなりません。

しかし月々2,000円と1万円の返済では、支払う利息分の総額が4万6,000円以上も違います。

最低返済額の支払いでは借入金額の半分以上の利息を支払うことになります。

借入金額50万円の返済シミュレーション

借入金額50万円の返済シミュレーション
返済金額/月 返済期間 返済総額 累計利息
1万円
※約定返済額
205か月(17年1か月) 97万7,432円 47万7,432円
3万円 19か月(1年7か月) 56万1,719円 6万1,719円
1万7,210円 36か月(3年) 61万9,563円 11万9,563円

※金利年14.5%で算出

借入金額10万円と比べると借入金額50万円では、毎月の返済金額によって累計利息が大きく違うことがわかります。

最低返済金額の支払いでは、ほぼ借入金額と同じ利息を支払うことになりますが、毎月3万円の支払いにすると41万円以上も利息を節約することができます。

借入金額150万円の返済シミュレーション

借入金額150万円の返済シミュレーション
返済金額/月 返済期間 返済総額 累計利息
2万円
※約定返済額
360か月(30年) 365万5,725円 215万5,725円
5万円 36か月(3年) 179万2,289円 29万2,289円
10万円 17か月(1年5か月) 163万3,405円 13万3,405円
3万3,366円 60か月(5年) 200万1,977円 50万1,977円

※金利年12.0%で算出

100万円を超えた借り入れになると、最低返済額でずっと支払いを続けることは絶対に避けなくてはいけないレベルです。

最低返済額で支払い続けると借入金額以上の利息がかかるうえに、完済まで30年という気が遠くなるような長い返済期間となります。

100万円を超える借り入れをする場合は、完済までの返済期間決めてからシミュレーションを行い、返済可能な金額になるか確認しておきましょう。

借入金額300万円の返済シミュレーション

借入金額300万円の返済シミュレーション
返済金額/月 返済期間 返済総額 累計利息
3万5,000円
※約定返済額
465か月(38年9か月) 740万2,825円 440万2,825円
5万円 84か月(7年) 417万6,179円 117万6,179円
10万円 35か月(2年11か月) 346万6,622円 46万6,622円
6万3,741円 60か月(5年) 382万4,428円 82万4,428円

※金利年10.0%で算出

上記のシミュレーションを見れば、300万円を最低返済額で支払おうと思う人はいないと思います。

300万円という高額な借り入れの場合は、毎月10万円をラクに支払える人でないかぎり、もっと低金利の目的別ローンや担保ローンの検討をおすすめします。

三井住友銀行カードローンの返済方式・返済日をおさらい

次に三井住友銀行カードローンの返済方式や返済日について解説します。

残高スライド方式のリボ払い

前述でも少し触れていますが、三井住友銀行カードローンの返済は残金スライド方式です。毎月の約定返済日に、約定最低金額を返済することになります。

借入残高に応じて返済金額が変わる残高スライド方式では、支払いを続けている際、一定の残高に達すると毎月の約定最低返済金額がガクンとダウンする仕組みです。

返済日は4つから選択可能

三井住友銀行カードローンの約定返済日(毎月の返済期限)は、5日か15日、25日、末日から選択できます。

なるべく給料日の2~3日後に返済できるように設定しておくと、給料日前の金欠による支払い不能を避けられますよ。

ちなみに給料日が銀行休業日であれば前営業日の振込となりますが、約定返済日が土日祝の場合は次の平日(銀行営業日)が返済期限となるので、確実に引き落としに間に合います。

返済に遅れると利息+遅延損害金が発生

カードローンの返済を延滞した場合は、通常の利息ではなく遅延損害金が請求されます。三井住友銀行カードローンの遅延損害金利率は年19.94%です。

返済が1日でも遅れると、その日から通常年1.5%~14.5%の金利は年19.94%に一律固定されることになります。

具体的には10万円を30日滞納すると遅延損害金は1,638円ですが、本来の利息(金利年14.5%)なら1,191円なので、447円が本来支払う必要のないお金となります。
※利息と遅延損害金が同時に発生することはありません。

また、遅延損害金だけでなく、3か月以上滞納すると確実に個人信用情報にキズが付くので、計画的な借り入れや返済を心がけましょう。

返済方法は3種類

三井住友銀行カードローンでの返済方法は、ATM※と銀行振込、口座引き落としの3種類あります。
※カードレスを選択の場合は(SMBCダイレクト)インターネットによるご利用となり、ATMはご利用いただけません。

次は返済方法を、個別に詳しく解説します。

ATMでの返済方法

ATM※は三井住友銀行ATMと、提携コンビニATM(イーネットATM・ローソン銀行ATM・セブン銀行ATM・ゆうちょATM)が利用できます。いずれもATM利用手数料無料です。

※カードレスを選択の場合は(SMBCダイレクト)インターネットによるご利用となり、ATMはご利用いただけません。

イーネット(E-net)ATMとは、ファミリーマートやサークルKサンクスなどの大手コンビニ、スーパーなどに設置されているATMです。

三井住友銀行カードローンには、ローン専用カードと、キャッシュカード兼用ローンカードと、カードの種類が2種類あります。ATMにより使用できるカードの種類が異なりますので注意してください。

カード種別対応ATM一覧表
対応ATM 返済方法
ローン専用カード 普通預金キャッシュカード
三井住友銀行本支店ATM
コンビニATM
ゆうちょATM

ATM返済は、指定した約定返済期日までに、カードローン口座へ約定返済金額を入金して支払います。しかし、コンビニによっては設置してあるATMの種類が異なる場合があるので注意しましょう。

三井住友銀行以外の銀行ATM(イオン銀行、みずほ銀行などの提携金融機関ATM)は、カードローンの借り入れと残高照会は可能ですが、返済には対応していません。

銀行振込・口座引き落としでの返済方法

銀行振込と口座引き落とし(口座振替)の返済方法は、三井住友銀行の普通預金口座を持っている場合のみ利用することができます。

銀行振込はSMBCダイレクト(インターネットバンキング)を使い、自宅のパソコンやスマホからカードローン口座への振込で返済できますが、その際の振込手数料はカードローン利用者が負担します。

口座引き落としは、カードローンの返済用預金口座から、借入残高に応じた約定返済金額を自動引き落としで返済するか、もしくは、指定の約定返済期日までにカードローン口座へ入金します。

返済用預金口座の残高が約定返済金額未満の場合は、その残高をすべて引き落とされます。

引き落とし金額が利息未満の場合には、追加の借り入れができなくなるので注意しましょう。

三井住友銀行カードローンの返済総額は随時返済で減らせる

臨時収入やボーナスなどがあり追加で返済したいという際には、約定返済日ではなくても臨時で返済が可能です。

この場合の返済金額は利息金額以上の入金であればいくらでもOKですが、指定の約定返済期日前に返済した場合、次回の約定返済期日は繰越しになるので注意しましょう。

引用:三井住友銀行カードローン公式サイト | ご返済について

利息を減らすために積極的に繰り上げ返済を

繰り上げ返済とは最低返済額を超える金額の返済のことをいいます。三井住友銀行カードローンでは自由に繰り上げ返済ができます。

前述のシミュレーション通り、毎月の返済額は大きいほどトータルの返済額は少なくなるので、繰り上げ弁済をすることで積極的に利息の負担を減らしましょう。

三井住友銀行カードローンでは残高を超える返済が普通預金になる

注意点のイメージ

カードローンは借入残高よりも大きな額を返済することもできてしまうので、借入残高が5,000円なのに1万円を返済した場合、5,000円が返済オーバーとなります。

このように、借入残高と利息の合計金額を超える金額を入金(返済)した場合には、オーバーした金額はカードローン口座で普通預金扱いになります。

新たに借入する場合は、普通預金部分から優先的に引き出すことになります。

キャッシュカード兼用カードローンを利用している場合は、三井住友銀行の普通預金口座に振り替えることもできます。

ローン専用カードの場合は、三井住友銀行の普通預金への振替はできませんが、指定の口座に返金してもらうことは可能です。

ただし、普通預金として預金されても利息は付かず、通帳も発行されません。

まとめ

三井住友銀行カードローンはローン契約機(自動契約機)もあるので、申込みが手軽にできます。

借入方法も豊富で、少額利用であれば2,000円の最低返済額で支払うことができるので、返済でも便利なカードローンです。

ただし、借入金額が大きいほど利息負担も大きくなるので、返済シミュレーションを利用して適切な返済金額を選んだり、繰り上げ返済を活用して残高を早めに減らしたりすることが必要です。

消費者金融カードローンよりも金利が低めの三井住友銀行カードローンですが、利息軽減を考えた返済額にすることで、より利息負担を軽くして賢く利用しましょう。