質屋でお金を借りる方法は？担保に使える品物や質屋の金利も解説

質屋でお金を借りるまでに必要なのは、3STEP。

品物の査定はその場で行われるため、少数の品物であれば15分以内にお金を借りることが可能です。

その場でお金を渡してくれるので、「いますぐにお金が必要！」という人に嬉しいシステムですね。

また現金と受け取る質札（しちふだ）は、質屋独自の契約書で商品を取り戻すときに必要になります。

質屋によっては質札の再発行をできない場合もあるので、質札をなくさないように注意してください。

本人確認書類として使えるもの

質屋を利用するときの本人確認書類は、お店によってさまざまです。

そのため質屋に行く前に、あなたがお金を借りようと考えている質屋が受け付けている本人確認書類を確認しておくのがよいでしょう。

以下は質屋業界最大手である大黒屋が、本人確認の身分証明書として認めているものです。

どのような書類が本人確認書類で使えるのかの、参考にしてください。

質屋でお金を借りられる理由

過去に金融事故でブラック入りしていたり、安定収入がなかったりで、消費者金融や銀行などのカードローンを利用できない人もいるでしょう。

上記のような人でも、質屋なら最短即日・審査なしでお金を借りられます。

最短即日・審査なしでお金を借りられる理由は、担保を預けているからです。

質屋側は「利用者からお金が返ってこないときは、預かったものを売ればいい」と考えているので、最短即日・審査なしでお金を借りられるのです。

品物を預けて3ヶ月が経過すると質流れになる

質屋営業法によって、「品物を預けてから3ヶ月を過ぎたら所有権が質屋に移る」とされています。

所有権が質屋に移ることを質流れと言い、質流れまでの期間を流質期限と言います。

品物を取り戻したい場合は、流質期限までに返済額を返すようにしましょう。

返済方法は現金のみの質屋も多いので、前もって返済額を現金で用意するのがおすすめです。

品物を3ヶ月以上預ける方法

「すぐにはお金を返せないけど、預けた品物を取り戻したい！」という人は、品物を預けて1ヶ月ごとに利息を支払いましょう。

質屋では1ヶ月分の利息を払うと、流質期限を1ヶ月延長してくれます。

この方法は、利上げと呼ばれています。

利上げは回数の制限がありません。

ただしほかの借入先よりも、質屋の金利は高いので、長期的に延長するのはおすすめしません。

質屋の金利は、本記事『質屋でお金を借りるときの利息』で解説しているので参考にしてくださいね。

「私が持っているものでお金は借りられるのかな？」と不安な人もいるでしょう。

以下に質屋でお金を借りられる可能性の高い品物をまとめたので、参考にしてください。

※店舗ごとに取り扱う商品は違います

またブランドによっては、高額取引をできる商品もあります。

ロレックスやフランクミューラーの時計を持っている人は、100万円以上の融資を受けられる可能性もあるでしょう。

「そんなブランド物の商品は持っていないよ・・・」という人も、スマホやパソコン、ゲーム機などを持っているのではないでしょうか。

たとえば少し古いタイプのスマホでも、お金を借りられる可能性は十分にありますよ。

実際の融資額・買取額

以下で質屋大手が公表している融資額・買取額を紹介します。

質屋を利用するときの参考にしてくださいね。

腕時計

商品名	ロレックス デイトナRef.116500LN
参考定価	1,720,400円
査定ランク	Sランク（最高評価）
買取査定価格	4,650,000円
融資額	3,260,000円

ブレスレット

商品名	ティファニー ハードウェア ラージリング ブレスレットRG
参考定価	1,850,000円
査定ランク	–
買取査定価格	850,000円（未使用品買取価格）
融資額

宝石

商品名	ヴァンクリーフ&アーペル ヴィンテージアルハンブラ ネックレス YGマザーオブパール
参考定価	401,500円
査定ランク	–
買取査定価格	305,000円（未使用品買取価格）
融資額	–

スマートフォン（携帯端末）

商品名	iPhone11 Pro 256GB
参考定価	145,920円
査定ランク	–
買取査定価格	–
融資額	46,000円

パソコン

商品名	富士通 ノートパソコン LIFEBOOK 2019
参考定価	280,280円
査定ランク	-（全体的に傷が多い）
買取査定価格	–
融資額	35,000円

質屋はすべての品物でお金を貸してくれるわけではありません。

以下の品物では、質屋に融資を断られる可能性が高いでしょう。

品物の状態が悪かったりノーブランドだったりすると、価値の低い商品とみなされ、お金を借りられません。

また不動産の権利書でも、お金を借りられません。

その理由は不動産を担保にするには、所有権移転登記などの複雑な手続きが必要だから。

質屋で契約書を作っても、担保として機能しないため、不動産の権利書はお金を借りられないのです。

契約中のスマートフォンでお金を借りられない理由

本記事『実際の融資額・買取額』で紹介しているように、質屋でスマホを担保にお金を借りられます。

ただし契約中のスマホを質屋に預けると、携帯電話不正利用防止法に引っかかる可能性があります。

また携帯会社への支払いを滞納しているスマホ（赤ロム）を質屋に入れると、違法端末を取引しているとして刑罰が重くなる可能性もあります。

スマホでお金を借りるときは、過去に契約していた返済完了済の端末を使うようにしてくださいね。

質屋でお金を借りるときの金利相場は、月1.0%〜8.0%だと考えておきましょう。

以下に大手質屋でお金を借りたときの金利と利息をまとめました。

	借入金額	月利	利息（1ヶ月分）
大黒屋	10万円	1.50%	1,500円
須賀質店		1.80%	1,800円
楠本商店		4.00%	4,000円

ご覧いただければわかるように、質屋によって金利は異なります。

基本的に大手になるほど金利は低く、規模が小さいほど金利が高くなる傾向にあります。

たとえば町にある個人経営の質屋では、金利が月8.0%〜9.0%の金利になるケースもあるのです。

消費者金融・銀行のカードローンとの比較

お金の借入先として、質屋・消費者金融・銀行を比べたときの金利比較は以下のようになります。

	借入金額	年利（大手3社の平均）	利息（1ヶ月分）
質屋	10万円	29.2%	2,400円
消費者金融カードローン		18.0%	1,500円
銀行カードローン		14.4%	1,200円

ご覧いただければわかるように、質屋の金利はほかの借入先と比べて高めです。

金利が高い理由は、質屋と消費者金融・銀行では適用されている法律が違うから。

消費者金融と銀行は、利息制限法という法律が適用されており、年利の上限が20％と定められています。

いっぽう質屋は質屋営業法という法律が適用されており、上限年利は109.5%となっています。

つまり質屋は消費者金融や銀行より高い金利を設定できるのです。

質屋でお金を借りるメリットとデメリットは以下のとおり。

それぞれ順番に解説します。

質屋でお金を借りるメリット

質屋でお金を借りるのではなく、消費者金融や銀行のカードローンを利用する選択肢もありますよね。

質屋でお金を借りるメリットについて、ほかの借入方法との違いとともに5つ紹介します。

審査なしでお金を借りられる

消費者金融や銀行のカードローンなど、一般的な金融機関でお金を借りるときは、必ず審査があります。

なぜなら金融機関は、申込者に返済能力があるかを確認してから、お金を貸しているから。

そのため審査（在籍確認や借入状況の確認）を行い、あなたの返済能力を調べるのです。

いっぽう質屋は、預かった品物（質草・質物）の担保にお金を貸しています。

そして貸したお金と利息が返ってくれば、質屋は利息分の利益を得ることができます。

またお金の返済がされないときでも、預かっている担保を売却して現金化して、利益を得られるのです。

つまり質屋は返済をされなくても損をしないので、担保があれば、審査なしでお金を借りられるのです。

融資スピードが早い

『審査なしでお金を借りられる』で紹介したように、質屋では返済能力についての審査がありません。

また質屋に持ち込んだ商品は、その場で査定をしてくれます。

査定が終われば、審査なしでお金を貸してくれるので、最短即日でお金を借りられますよ。

※高額融資で質屋の予算を超えた場合は、即日の借り入れをできない可能性もあります。

返済できなくてもOK

預けている品物が必要なければ、質屋に借りたお金の返済をしなくても問題ありません。

返済しなくてもOKな理由は、質屋は預かっている品物（質草）を売却して利益を出せるからです。

質屋側も担保があるので、「返済がされなくても、担保（質草）を売ればいいかな」と考えています。

また消費者金融や銀行のカードローンは返済が滞ると、信用情報に傷がついて、新しいクレジットカードが作れないなどのデメリットがあります。

いっぽう質屋は信用情報機関と関係がないので、返済ができなくても信用情報に傷はつきませんよ。

借入限度額がない

質屋は金融業者ではないので、融資の限度額がありません。

質屋に入れる品物に価値があれば、その価値相当の融資を受けられます。

いっぽう消費者金融は、総量規制という法律があるため、年収の3分の1を超えるお金を貸し出せません。

質屋は総量規制の対象外なので、カードローンで限界まで借り入れをしている人も、お金を借りられますよ。

返済の取り立てがない

質流れになっても質屋は損をしないので、取り立てや督促がありません。

督促がないことは、全国質屋組合連合会の公式サイトで断言されています。

質屋が取り立てに来て、家族やご近所さんに質屋の利用をバレることはないので安心してくださいね。

質屋でお金を借りるデメリット

質屋でお金を借りるデメリットは以下の3つ。

それぞれ順番に解説します。

金利が高め

『質屋でお金を借りるときにかかる利息』で紹介しているとおり、ほかの借入方法と比べて、質屋の金利は高めです。

以下で、公式サイトで金利を公表している大手質屋3社の金利をまとめました。

	借入金額	月利	年利
大黒屋	10万円未満	店舗による	店舗による
	10万円以上	1.50%	18.00%
	100万円以上	1.25%	15.00%
	1,000万円以上	0.95%	11.40%
須賀質店	10万円未満	2.30%	27.60%
	10万円以上	1.80%	21.60%
	30万円以上	1.50%	18.00%
	100万円以上	1.20%	14.40%
楠本商店	30万円未満	4.00%	48.00%
	30万円以上	3.00%	36.00%
	50万円以上	2.00%	24.00%
	200万円以上	1.50%	18.00%
	300万円以上	1.20%	14.40%

大手消費者金融カードローンであるアコムの上限金利は年18.0%なので、消費者金融と比べても、質屋の金利が高いとわかります。

なお非合法の質屋は、年利110.0%以上で貸し付けをしている場合があるので気を付けてください。

※質屋営業法で、上限金利は年109.5%と定められています。

違法業者については、本記事『違法業者でお金を借りないようにしよう』で解説しているので参考にしてくださいね。

利息は1ヶ月単位でつく

消費者金融や銀行などの金融機関では、利息を日割りで計算します。

たとえば借りたお金を10日で返済したときは、10日間に対して利息がかかります。

いっぽう質屋では、利息の日割り計算を行わずに、月単位で利息がかかるのです。

つまり借りた翌日に返済しても、借りてから25日後に返済しても、利息は一律で1ヶ月分です。

業界最大手の大黒屋で、10万円を借りたときの利息は以下のとおり。（10月1日にお金を借りた場合）

※質屋によって、利息の計算方法が違う場合もあるので、気を付けてください。

3ヶ月以内に返済しないと品物の所有権が質屋に移る

品物を預けてから3ヶ月以内に元金と利息を返済しない場合、品物の所有権は質屋に移ります。

質屋から「あと10日間で質流れになりますよ」などの連絡はないので、「気がついたら質流れになっていた・・・」という可能性もあります。

どうしても取り戻したいときは、3ヶ月以内に全額返済をするか、利上げで返済期間を延長しましょう。

利上げについては本記事『品物を3ヶ月以上預ける方法』で紹介しているので、参考にしてくださいね。

質屋で少しでも多くのお金を借りるためのポイントは、以下の3つ。

それぞれ順番に解説します。

付属品を合わせて査定に出す

購入時の付属品があれば、査定のときに持ち込みましょう。

付属品の例は以下のとおりです。

実際に大手買取会社のなんぼやは公式サイトで、以下のように言っています。

質屋と買取業者は同じ会社が運営しており、査定方法が同じことも多いです。

そのため質屋でも付属品を用意できれば、査定額が上がると考えられます。

クリーニングを行う

質屋に持ち込む品物は、キレイな状態だと査定金額が高くなります。

使用感や型崩れは仕方ありませんが、最低限の汚れは取っておきましょう。

ブランド品によっては、質屋に持ち込む前にクリーニングをすることで、査定金額が高くなる可能性もありますよ。

売却を考える

「できるだけ多くの現金が必要・・・」という人は、売却を考えるのも一つの選択肢です。

というのも質屋でも、質預かりの融資額よりも買取価格が高くなっています。

大黒屋の買取価格と融資額を比べると、以下のとおり。

商品名	ロレックス デイトナ
参考定価	1,720,400円
査定ランク	Sランク（最高評価）
買取査定価格	4,650,000円
融資額	3,260,000円

このように受け取れる金額は、売却のほうが高くなります。

そのため「これは売ってもいいかな・・・」という品物は、買取業者への売却も考えてみてくださいね。

質屋には、偽装質屋と呼ばれる違法業者が存在します。

質屋は質屋営業法に従って、公安委員会の営業許可を受けることが義務付けられています。

しかし違法業者は、公安委員会の営業許可を受けず、法律を無視した営業を行っています。

たとえば年109.6%以上の金利を要求したり、返済の取り立てをしたりする違法業者もあるのです。

※質屋営業法で質屋の金利は年109.5%以下、全国質屋組合連合会で取り立てはしないと定められています。

正規の業者でお金を借りる方法

正規の業者を探すには、許可番号を確認するのが一番安全です。

許可番号は、公安委員会が営業を認めた質屋だけが持っている番号です。

質屋には、許可番号の書かれた営業許可証をわかりやすい場所に提示することが義務付けられています。

あなたの利用する質屋が営業許可証を提示しているのかを、確認してください。

「そんなの調べるの面倒・・・」という人は、大黒屋などのテレビCMを放送している大手の質屋を使えばOKです。

大手の質屋ほど金利が低くなる傾向もあるので、金利を下げたい人にも大手の質屋がおすすめですよ。

本記事では、質屋でお金を借りる方法について以下の内容を解説しました。

本記事『質屋でお金を借りるときの利息』で紹介しているように、質屋は金利が高めです。

そのため長期的な借り入れではなく、緊急時に少額を短期間だけ借り入れるのがおすすめです。

借入時の審査はありますが、高額で長期的な借り入れをするなら、金利が低めの銀行カードローン。

できるだけ早く借り入れしたいなら、最短即日融資が可能で、質屋よりも金利が低めの消費者金融カードローンも検討してくださいね。