生活保護が受けられるかどうかを5つの条件からセルフチェック

更新日:2021/01/06

厚生労働省「生活保護」に関するサイトの画像

厚生労働省のサイトより

生活保護は、日本国憲法第25条の生活保護法で定められている制度です。

困窮している生活を助ける国のセーフティネットであり、生活の立て直しも目的とされています。

こういう制度があることは知っていても、生活保護を受けられる条件に自分が当てはまるか分からない人も少なくありません。

そこでこの記事では、生活保護を以下5つの条件ごとに分け、生活保護が受けられるかを確認する15項目のセルフチェックを作成しました。

生活保護を受けるための5つの条件

  1. 資産条件
  2. 申請条件
  3. 支給条件
  4. 利用条件
  5. 受給条件

項目ごとにある□にチェックを入れられるかを確認してくださいね。

まずは、資産条件についてご覧ください。

残せる物もある生活保護の資産条件

生活保護は最低限度の生活を保障する制度なので、今あるすべての資産を維持したままという訳にはいきません。

まずは、全ての資産を活用することが国の考え方です

資産とは、預貯金・利用していない土地や家屋・貴金属などのことで、それらの資産は売却して生活費にあててください。

お家の画像

ただし、生活保護を受けるにあたって手放す必要のない資産もあるんです。

ここで手放す必要のない資産の一部を紹介します。

今、あなたの所持している資産が以下で紹介するレベルに該当するかセルフチェックしてください。

<持っていてよい資産>

  • 【1】現金や預貯金
    最低生活費の半分程度ならお金を持っていてもOKです。
  • 【2】不動産
    原則、手放します。
    ただし、今住んでいる居住用の不動産を売却しても利益が少ないなら、例外として所持が認められる可能性あり。
  • 【3】自動車
    原則手放しますが、生活保護開始時から6ヶ月以内に自立が確実な場合は持っていてOK。
    また、公共交通機関が利用できず通院や通学などに必要な場合は、例外として認められる可能性あり。 
  • 【4】バイク
    生活に役立っていることを条件に、原動機付き自転車はOK。(最大125cc以下の排気量)
  • 【5】保険
    解約返戻金がない、もしくは少ない火災保険や傷害保険などの危険対策目的の保険はOK。
    (最低生活費のおおむね3ヶ月程度以下)
    学資保険は、解約返戻金が50万円以下で満期保険金の受領年齢が18歳を超えないものはOK。

逆に所持が認められない資産は、貯蓄性が高い保険や有価証券・貴金属などです。


次は、生活保護に申請できる人の条件を紹介します。

[申請条件]生活保護に申請できる6つの条件

生活保護の申請をするためには、以下の6つの条件をすべてクリアする必要があります。

今の状況をあてはめてセルフチェックしてください。

  • 【1】資産がない
    不動産、自動車、預貯金などの資産がない人。
  • 【2】働けない
    病気や怪我などで働けない人。
    もしくは、働いても生活費が足りない人。
  • 【3】国や自治体の支給があっても生活できない
    年金や手当などの支給があっても生活費が足りない人。
  • 【4】身内からの援助が受けられない
    扶養や金銭的援助などをしてくれる親族がいない人。
  • 【5】収入が最低生活費に満たない
    現在の収入が厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費に満たない人。
  • 【6】その他手当を活用しても生活できない
    その他の手当とは、国や自治体などの制度である下の表のような給付を受けることを指しています。
その他の手当

手当 内容
公的年金 国民年金、厚生年金など
児童手当 中学卒業までの児童への養育費
傷病手当金 病気や怪我で仕事を休んでいるときに給付される健康保険のひとつ
失業給付金 仕事をやめたときに国から支給
障害年金 病気や怪我で収入面の影響を受けたときに支給
年金生活支援給付金 2019年スタート 年金が支給されても所得が低い人に支給される制度
~収入が最低生活費に満たないという人~
収入は給料だけでなく、退職金・失業保険等の手当・仕送り・売却して得た金銭・相続・保険金・年金などもカウントされます。
収入があっても最低生活費に満たない場合は、足りない分を生活保護費として受給できますよ。
最低生活費は地域や年齢・家族構成・人数などによって違うので、最低生活費の等級確認等級ごとの最低生活費算出方法で確認してください。
参照:厚生労働省

扶養や援助はすべての身内が対象ではない

上記の【4】にある身内の範囲について、三親等までの親族が対象だという記事もあります。

しかし、三親等の叔父叔母・甥姪は、家裁の審判があってはじめて扶養義務を負う人たちなので、特別な事情がない限り扶養義務者にはなりません。

また、親族が年金生活者・生活保護受給者など、明らかに援助ができないことが明白な場合や、配偶者からのDV・親からの虐待など、申請者に危険が生じる相手への連絡はされません。

親族による扶養や援助については、担当者に事情の説明と相談をしてください。

これらの理由で生活が困窮している人が生活保護に申請できます。

次は、生活保護費を受給できるかを判断する条件と申請方法をご覧ください。

[支給条件]支給判断の条件と申請方法

生活保護の申請手続きをすると、以下の流れで生活保護の可否が決定されます。

担当者の訪問調査

扶養調査

14日以内に生活保護の可否が決定

福祉事務所の担当者が家庭訪問をし、生活保護についての説明や保護の必要性を確認。

同時に、資産調査や就労の可能性調査なども実施されます。

扶養調査は、親・子・兄弟・姉妹に担当者が電話連絡をして、申請者の扶養や金銭的な援助ができないかを確認する調査です。

申請してから14日以内に生活保護の可否が決定され、保護開始決定通知書が送られてくると、生活保護費の支給が始まります。

様々な調査の段階で担当者が受給条件を満たしていないと判断すれば、生活保護は受けられません。

ここでのチェック項目は1つです。

訪問調査をはじめとするあらゆる調査を了承できる

生活保護の申請方法

生活保護を受けたいと思ったら、まずは役所の福祉事務所や福祉課、保健福祉センターの窓口で相談してください。

担当者からの説明を聞いて、申請することが決定してから書類を提出します。

生活保護費は個人ではなく世帯単位で支給されるので、申請者は世帯主です。

申請書類を以下で紹介しますが、人によって提出する書類は異なりますので、参考程度にご覧ください。

詳しい提出書類については、担当者からの説明に沿って用意してくださいね。

  • ・申請書
  • ・同意書
  • ・収入申告書
  • ・資産申告書
  • ・給与証明書
  • ・地代家賃証明書
  • ・扶養義務者に関する届出書 など

お住まいの福祉事務所がどこにあるかは、福祉事務所一覧で確認できますよ。

次は、受給した生活保護費の使い道について説明します。

[利用条件]生活保護費の利用条件

生活保護費には10種類の扶助(給付の種類が)があります。

扶助の種類は以下の通りです。

  • 【1】生活扶助
    日常生活に必要な食費や光熱費等は基準額を支給
  • 【2】住宅扶助
    賃貸アパートなどの家賃や修繕費などは実費支給
  • 【3】教育扶助
    義務教育をうける費用は基準額を支給
  • 【4】医療扶助
    医療費(医療サービス)は本人負担なし(生活保護の指定医療機関を受診)
    ※指定医療機関はたくさんあり、役所の公式サイトから一覧を確認できる
  • 【5】介護扶助
    要介護・要支援の人が介護サービス受けた利用料は本人負担なし(指定介護機関)
    ※介護機関はたくさんあり、役所の公式サイトから一覧を確認できる
  • 【8】出産扶助
    出産に必要な費用を実費支給
  • 【9】生業扶助
    就労に必要な技能習得等の費用や仕事に必要な洋服費用などは実費支給
  • 【10】葬祭扶助
    葬祭費用は扶養義務者がいないなどの場合、葬祭扶助として実費支給

普段は、以下の【1】~【3】として生活保護費を使うになるでしょう。
【4】~【10】は必要な時に受給してください。

扶助内容に該当しなくても、生活を圧迫しないのなら娯楽費にも使えますし、やりくりをして貯金することも認められていますよ。

ここでのチェックは1つです。

利用使途を理解できた

生活保護費の概算額

生活保護費をいくら受給できるのか気になりますよね。

世帯人数や年齢などによって支給条件が違うので、金額を断定してお伝えすることはできません。

そこで、厚生労働省が提示している概算額をお伝えします。

東京 地方
3人世帯
(33歳 29歳 4歳)
158,760円 139,630円
高齢者単身世帯
(68歳)
77,980円 66,300円
高齢者夫婦世帯
(68歳 65歳)
121,480円 106,350円
母子世帯
(30歳 4歳 2歳)
190,550円 168,360円

生活扶助基準月額例(令和2年10月1日現在)

最後は、生活保護費を受給した後の報告義務について説明します。

[受給条件]ケースワーカーと連携する受給後の条件

生活保護費を受給している人は、年に数回、ケースワーカーの訪問調査を受けます。

ケースワーカーとは、身体的・精神的に日常生活を送る上で困難な事情を抱えている人のサポートをしてくれる人のことです。


生活保護を受けるにあたり、とても密にやりとりをする相手なので覚えておいてください。

ケースワーカーは、生活保護を受給してからも生活における指導や助言、提案をしてくれます。
また、生活に変化があった時はケースワーカーへ報告してください。

報告義務のある生活の変動には以下のようなものがあります。

  • ・進学
  • ・就職
  • ・転職
  • ・雇用形態の変化 
  • ・出産
  • ・死亡
  • ・相続
  • ・転入
  • ・転出 
  • ・世帯収入の変化など 

ケースワーカーの指示に応じなかったり、報告義務を怠ったりした場合は、保護の変更や停止・廃止の可能性があるので気をつけてくださいね。

ここでのチェック項目は2つです

ケースワーカーへの報告義務をおこなう
ケースワーカーの指示に応じられる

まとめ

生活保護は最後の砦のようなセーフティネットですが、国民の権利ですから「もっと大変な人がいるんだから、自分なんて利用しちゃいけないんだ」なんて思う必要はありません。

セルフチェックのすべてに該当するなら、今すぐ生活保護の相談をしに行ってください。

生活保護の受給条件に該当しないなら、今はまだ自分自身にできることがある証拠です。

15項目のセルフチェックをする中で、国や自治体の助成金や給付金があると紹介しました。

この記事を参考に、生活保護を申請する前に何ができるのかを考えるきっかけにしてほしいです。

以下にセルフチェック15項目をまとめたので、今一度チェックしてみてくださいね。

  • 最低限以上の現金や預貯金を持っていない
  • 不動産を持っていない 
  • 自動車を持っていない 
  • 原動機付き自転車より大きなバイクは持っていない
  • 解約返戻金の大きい保険を持っていない
  • 資産がない
  • 働けない
  • 国や自治体の支給があっても生活できない
  • 身内からの援助が受けられない
  • 収入が最低生活費に満たない
  • 年金などの手当を活用しても生活できない 
  • 訪問調査をはじめとするあらゆる調査を了承できる
  • 利用使途を理解できた
  • ケースワーカーへの報告義務をおこなう
  • ケースワーカーの指示に応じられる