国民年金未納を避けるために知っておきたいこと

更新日:2018/05/31

roujin_nenkin

老後の生活資金に欠かせない年金。

ですが、「平成26年度の納付率は63.1%」とのことです。

非常に低いのに驚かれるのではないでしょうか。

しかし、これはあくまでも会社員などが加入者となる「厚生年金」を除いた数字です。

自営業者が加入する「国民年金」の納付率が63.1%なのですね。

とはいえ、この納付率は無視できない低さだと思います。

40%弱もの国民が国民年金保険料を支払っていないということには、各者各様に様々な理由があるのだと思います。

日々の生活が苦しくて、保険料を払えない。

納付義務が生じたときに支払えない事情があって、または忘れていて、未納期間がある。

中には、保険料を支払うのが損だと思っているから払いたくないという人もいるでしょう。

そこで今回は、そもそも国民年金保険料は本当に払わなくて良いのかどうかについて点検します。

そして続いて、保険料の未納を続けるとどうなるのか、さらに、国民年金保険料を未納にしてしまった、またはどうしても納められず滞納しそうなときにはどうしたら良いのかについて解説しようと思います!

国民年金保険料は支払わなくてはならないし、支払った方が良い!

国民年金保険料の未納者が40%弱もいるというのはゆゆしき事態ですが、はじめにきっぱりと言っておかねばなりません。

国民年金保険料の納付は、20歳~59歳の国民の義務です。

会社員や公務員は、厚生年金に加入しているので、会社などが給与から天引きで保険料を払ってくれています。

自営業者やフリーランスの人は自分で納付しなければならないのです。

これは法律で決まっていることなのです。

しかし、このように説明されることもあります。

「日本の国民年金は積立方式ではなく賦課方式を採用しているので世代間格差が大きく、現在の高齢者は得するが、若者は損だ。」

つまり、現在の若者が将来受け取る保険金総額は、支払保険料総額を下回るため損だという主張ですね。

ですが、この主張は次の2点で的外れです。

  • 国民年金は任意保険の個人年金と違い、保険金支払期間が終身であること。このため、長生きの金銭的リスクに備えるのが目的で、短命であれば方式に関わらず「損」になる。
  • 国民年金には、高齢者に支払われる「老齢基礎年金」の他に、死亡時に遺族の生活費を支える「遺族基礎年金」と自身や家族が障害を負った時に支払われる「障害基礎年金」とがセットになっており、国民の生活にかかわるリスクをトータルでサポートするものである。

それに、国民年金は現在、2分の1が国庫から賄われている、つまり半分は税金で運営されているので、やはり国民年金に参加しないのは損なのです。

国民年金保険料を納付しないと、最終的に差し押さえられる

それでも未納率が40%弱もあるのは、やはり保険料を支払うのが困難であったり、忘れてしまっていたりする人がいるからなのでしょう。

それでは、国民年金保険料が未納だとどうなるのでしょうか。

未納によって受ける不利は、次の2つです。

  • 老齢基礎年金の受給額が減額される。単純に未納期間を40年で割った割合が減額されて、受け取れる年金が減る。
  • 納付期間が合計で25年間未満なら、老齢基礎年金の受給者資格が無くなる。たとえ24年間納付していても、老齢年金の受給額はゼロに。なお、この期間は平成29年4月から10年に短縮される予定。

しかし、先ほど指摘したように、国民年金保険料の納付は義務です。

「将来の年金を受け取れなくて良いから、支払わない」というのは認められません。

国民年金の未納を続けていると、以下のような措置が順に執られていきます。

①「催告状」の送付

この時点で未納分を納付すれば、何ら問題は生じません。

場合によっては、郵便ではなく電話や訪問で納付を催促されることもあります。

②未納を続けると「最終催告状」の送付

この最終催告状には「納付期限」が書かれています。

その納付期限を超えて滞納すると、次のステップへと進むことになります。

③「督促状」の送付

これは「催告状」と違って法的な通知となり、書かれている納付期限を超えて滞納すると、未納額に14.6%の延滞金が課せられることと、財産が差し押さえられることが記されています。

反対に言うと、督促状の納付期限までは、未納分の保険料には利息のようなペナルティは付きません。

④「督促状」の送付と未納者自身の調査が始まる

もしもその調査で支払う力があると見なされた場合、「差し押さえ予告」が送付されます。

この調査では、未納期間や所得(収入から税金や社会保険料控除額はひかれるが、本人だけではなく配偶者なども含む)が調べられます。

日本年金機構は年々この保険料徴収を強化しているため、調査対象のハードルも低くなる傾向にあります。

⑤「差し押さえ予告」の無視で「差し押さえ」

現金・銀行預金・給料・家財道具・自動車などが差し押さえの対象です。

家財道具や自動車が差し押さえられた場合は、すぐに競売にかけられ、売却代金から強制徴収されることになります。

国民年金保険料の支払いが困難なら、年金事務所に相談しよう!

無職の男性

誰だって、差し押さえは避けたいですし、それに、国民の義務だというのなら果たしたいです。

とはいえ、生活費に余裕がないのであれば、保険料を支払いたくても支払えません。

そんなときはどうしたら良いのでしょうか?

国だって鬼ではありません。

経済的困窮者のために、3つの制度が用意されています。

保険料免除制度

前年度の所得に応じて、国民年金保険料の「全額」「4分の3」「半額」「4分の1」が免除されます。

この制度がありがたいのは、免除期間は老齢基礎年金の受給資格期間として計算に入れられて、しかも免除された額の半額は国庫負担で支払ったことにしてくれるということです。

もちろん、保険料免除者でも障害基礎年金や遺族基礎年金を受けとることもできます。

若年者納付猶予制度

20歳~29歳で前年度の所得が一定額以下のときに使える制度です。

この期間は国民年金保険料納付を見合わせてもらいながら、受給資格期間への算入と障害基礎年金・遺族基礎年金の権利を得ることができます。

ただし、この制度は後に猶予された分を納付することを前提にしているので、猶予された保険料を国庫が肩代わりしてくれるというようなことはありません。

学生納付特例

制度の内容は若年者猶予と同様ですが、対象者が学生となっている点が異なります。

これらの制度は、市町村の国民年金担当窓口に

・国民年金手帳または基礎年金番号通知書
・前年の所得を証明する書類など

とともに申請書を提出することで利用することができます。

また、国民年金保険料の支払い能力があるにもかかわらず、うっかり保険料の納付を忘れてしまった人のためには、保険料を後払いする制度もあります

後納制度

国民年金保険料の未納分を後から支払える制度です。

通常は2年間まで遡って納付することができますが、平成27年10月から平成30年9月30日までは5年前までさかのぼって納付できるように後納期間が延長されています。

過去2年間の後納保険料にはペナルティはありませんが、それ以前の分の後納保険料には加算金がかかります。

後納制度は、年金事務所で手続きをすることで利用することができます。

また免除や猶予の制度も、年金事務所で担当者に問い合わせてみましょう。

年金の未納や支払困難でも差し押さえを避けるためには、何より自分には支払いの意思があるということを示すのが重要です。

お近くの年金事務所で、支払いの意思があることと、ご自身の抱えている事情を伝えましょう。