【第2回】教えて安部先生!保険ってどうやって選んだらいいの

更新日:2019/08/21

保険に悩むイメージ

就職や結婚など、人生において大きなイベントがあると「保険に入っておいた方がいいよ」なんて、目上の方から声をかけられた経験のある人も多いと思います。

しかし、いざ医療保険や生命保険を選ぼうと思うと、入院給付金や手術給付金、三大疾病特約に女性特約、先進医療特約など、何をどう選んだらいいのか悩んでしまいますよね。

アトムくん(の中の人)もそのひとりです。

そこで、ファイナンシャルプランナーの安部智香先生に、保険選びのポイントなどを伺ってきました。


安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 安部 智香 先生
1967年生まれ 京都市在住
松田聖子、占い、スピリチュアル、引き寄せを愛する独立系ファイナンシャルプランナー。
証券会社にて500名の顧客を担当してきた経緯から、投資系の相談が得意。
個別相談はもちろん、大阪と京都で開催している月1回の少人数制お茶会セミナーでは、マネーの勉強をしながらも気軽にいろんな相談ができると人気を博している。

■資格
ファイナンシャルプランニング技能士2級
ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)
一種外務員資格

どれに入ろうではなく入るか入らないかの選択が第一歩

保険に入るか入らないかの選択のイメージ

安部先生、助けて~。
後輩に「結婚したので親から保険に入れって言われたんですけど、どこの何に入れば良いですか?」って聞かれてるんです。
給付金や保障、特約は多ければ多いほどいいですよね?

「まずは落ち着いて(笑)。

その後輩の子は、結婚した後も仕事を続けるつもりなのかしら?

旦那様の会社から付加給付はあるの?

家庭の貯蓄額はどのくらい?」

仕事はずっと続けるって言ってましたけど…。
付加給付ってなんですか?貯蓄額は保険に入るときに関係あるんですか?

「もちろん!貯蓄が1億円ある人が、旦那様に2,000万円の死亡保障付き保険に入ろうとしていたとしたらどうでしょうか?

奥様の残りの人生に1億2,000万円が必要なのかって考えると、そこまで必要ないかもしれませんよね?

貯蓄額1億円はすこし言い過ぎかもしれませんけど、貯蓄額は保険を選ぶうえで大切ですよ。

また、付加給付とは健康保険組合が1か月間の医療費の自己負担限度額を決めておいて、その限度額を超過した費用を払い戻してくれるものです。

大手の企業では制度として充実しているけれど、中小企業であれば支給されないこともあるんですよ。

他にも、高額医療費制度と言って一定の金額を超えると払い戻されるシステムもあるし、日本は保険制度が充実しているので、後輩さんはもしかしたら保険に入らなくていい人かもしれないですからね。」

えぇっ!保険って結婚したり、就職したりするタイミングで、入っておかなくちゃいけないものだとばかり思ってました。

「みなさん、結構そう思っていらっしゃるんです。

保険はどれに入ろう…ではなく、入るか入らないか、その前の段階で一度考えることがとっても大事なんですよ。

入ると決めたのであれば、今度は自分にとって困ることって何か?を明確にします。その困ることに関して、補償が受けられる保険に入るのがおすすめですね。」

困ること…。う~ん、思いつかないです。
みなさん、どんなことに困っているんですか?

「そうですね~。例えば1か月間入院したとします。必要なのは、ベッド代(部屋代)や治療費ですよね。

そのままでは負担がとても大きく思えますけど、高額医療費制度や付加給付を利用すると、入院費用として支払う上限金額が決まっていますから、1か月10万円以下になる人が多いですね。

その他に必要な費用としては、入院している期間の食事代、お世話する家族の交通費です。

日額5,000円程度の保険に入っていた場合、30日間で15万円の給付金がでます。1か月10万円の入院費用が必要になったとしても、まだ5万円残っていますよね。

高額医療費制度や付加給付では認められない入院中の食事代や家族の交通費も、この金額で十分に賄えるのではないかなと思いますよ。」

日額5,000円の保険って多いですよね。でも、補償が手厚い1万円のほうがいいって言われて高い保険料のものに入ったんですけど、それは騙されたんでしょうか…。

「いえいえ、そういうワケではないんですよ。病気の中には、日本の保険制度や、自分の力ではどうしようもない病気もあるんです。

例えばガンになって、先端医療を受けなくては治らない時には300~400万円程度の費用がかかります。

その時、そんな金額を自分で準備するのは大変ですよね。だから、保険で賄えるようにしておくと良いんです。

ただこれも、もし貯金が数千万円とか1億円とかある人であれば、わざわざ300万円が給付される保険に入る必要はないんです。

毎月の保険料の方が、給付される金額より多い可能性が高いですから。」

自分の収入、家の貯金、自分を含めた家族の状況も判断して、入る入らないを選択する。入る選択をしたら、今度は何が必要になるのか…。細かな選択をいくつもしなくてはいけないんですね。

「そうなんです!保険屋さんに、結婚したんで保険に入ろうと思うんですって相談したら、じゃあ一般的な日額5,000円で、でも女性特約を付ければ1万円出るから安心ですよ。

入院したらいろいろ必要になるので、一時金として300万円でるようにしておくと、入院費用や生活費の足しになるからオススメですよ。

旦那さんが亡くなったら困りますよね、じゃあ死亡保障はお子さん小さいですし2,000万円くらい付けておきましょうか~って話になると思いますよ。」

先生エスパー!?まるで私が保険に入った時を見てたみたい。
全く同じこと言われました。

「それはアトムくん(の中の人)個人を細かく見ておすすめしているというより、一般論なんですよ。

もちろん、出ないよりは出た方がいいんです。

でも、その積立金を毎月支払うほど、その保険内容が必要なのかを、まずは考えてくださいね。」

ムダな保険料を払うならその分は貯蓄や投資に回そう

先生、どんな保険に入れば良いのか相談を受けたと仮定して、先生だったらどんなアドバイスをするんですか?既婚の女性がおひとりで相談に来たという状況でお願いします!

「まず旦那様が病気になったり、亡くなったりした場合に誰がいちばん困るのか。そこからお話をお伺いします。

奥様は専業主婦なのか、共働きなのか。共働きの場合には、正社員なのか、パートなのか。お子さんはいらっしゃるのか、いらっしゃらないのか。

いらっしゃるのであれば、お子さんの人数や年齢、いらっしゃらないのであれば、今後の予定なども、お答えいただける限り細かくお伺いしますね。

もし共働きでしたら、奥様ご自身が病気やお亡くなりになった場合、旦那様おひとりのお給料では困る状況なのか、そうではないのか。

お子さんの面倒を奥様だけが担っていたら、旦那様は時短勤務にして、お子さんを迎えにいく必要が出てくる可能性もあります。

そうなると、実は旦那様に保険をかけるのではなく、奥様に保険をかけなくてはいけないことになります。」

既婚女性っていうシチュエーションだけでも、こんなに細かく考えなくてはいけないんですね。
そして実際、必要なのは旦那さんじゃなく、奥さんだったということもあり得るんですね。

「独立系FP共通の考えだと思うのですが、必要な保険だけにして、もし支払う保険料が下がったのであれば、その分の浮いた金額を貯蓄や投資に回してほしいと思うんです。

お子さんの教育資金や老後の準備ができますからね。」

保険に入るときにそこまでしっかりと考えていなかった私のような場合は、すぐにでも保険を見直した方がいいのでしょうか?

「すぐとは言いませんが、入った時と状況が違うのであれば、保険の見直しはとても大切だと思います。

アトムくん(の中の人)は正社員ですよね?お子さんも大きいのであれば、ご主人の死亡保障が3,000万円というのは、ちょっと多いかもしれないです。

お家を買っているのであれば、団体信用生命保険に加入していると思うので、そこにも旦那さんが亡くなった場合の補償が付いていますから。」

団体信用生命保険!確かにそれも、なんか補償がいろいろ付いてました。
何度か保険の担当の方に見直しをしませんかと言われましたけど、保険料が値上がりしちゃうプランばかりだったのでとりあえず放置してました…。

「自分や旦那様に何が不足しているのか、その辺りをしっかりと理解していないと、やたら補償は充実している保険だけれど、自分のライフスタイルにはあっていないことになってしまいますね。

基本的に保険は、儲けるものじゃないんです。みんなが少しずつ損をして、誰か困っている人を助けてあげましょうってものなんです。

入院したけど保険に入っていたから、こんなにもらえて得しちゃったなんて話もよく聞きますけど、もらえたんじゃないですからね。ご自身で払ってきたものなんですよ。」

確かに保険って、病気になった時にお金がもらえるイメージが強いかも。
しかも、大きな金額を給付されて得しちゃった!みたいな。

「あと、掛け捨ての保険はイヤっておっしゃる方がいるんですけど。保険はあくまでも貯蓄目的ではないので、掛け捨ての方が安くてコスパがいいこともあるんです。

セコムをイメージしてほしいのですが、あれって泥棒が入った時に安心だからって付けているんですよね?でも、泥棒が入らなかったからといって、セコムに支払った金額を返してほしいとは思わないでしょ。

保険も同じです。病気をしなかったから損をしているのではなくて、病気になった時に助けてくれる万が一のためのモノですから。」

一つひとつ問題を解決し幸せな将来を過ごすためにFPと相談してほしい

保険について相談するイメージ

保険…いろいろ考えるのがめんどくさくなってきました。

「何を言ってるんですか(笑)。保険は生命保険や医療保険だけじゃないんですよ。

40歳になったら公的介護保険に入らなくてはいけないのは知ってますよね?

介護保険というのは、もし介護が必要になった時に給付金が出るワケじゃないんです。

介護関連のサービスを利用するときに、1割負担で使えますよという保険なので、民間の介護保険の利用を考えた方がいい状況の方もいます。」

医療保険もそうですけど、介護保険なんて20代の子からしたら、20年も30年も先のことを想定して考えなくちゃいけないじゃないですか?すごく難しいですよね…。

「だからこそ、私たちFPに相談してほしいんです!

今回は保険のことをメインにお話しましたけど、将来設計を漠然とでも考え始めたとき、来ていただけるといいと思うんです。

何歳ぐらいで結婚して、何歳ぐらいで子供が欲しいみたいな、想像する未来をお話していただければ、私たちFPはライフプラン表を作成します。

憧れの将来を想定したうえで、貯金はこのタイミングでこのぐらいが必要だから、今の生活のこの部分を見直して…なんて、アドバイスができます。

人生って、大きなお金が必要になるタイミングがあるんです。そのタイミングまでに、必要な金額を想定して準備できていれば、慌てたり不安になったりすることもないので安心ですよね。」

先生、行き当たりばったりの生活をしてきた私には耳が痛いです(笑)。
いつもお金がないんです。

「ふふふ。アトムくん(の中の人)とは、またお話をした方がよさそうですね。

なぜお金がそんなにないのか、原因は絶対にありますから。」

ぜひにっ!よろしくお願いします。
インタビューが終わって
アトムくん(の中の人)の感想

生命保険や医療保険は、とりあえず何か入っておかなくちゃいけないもの…と思っていましたが、その前の段階として、自分にその保険が必要か必要じゃないかを考えることが大事と言われ、目から鱗が落ちた気分です。

日額5,000円より1万円かな、特約はとりあえず付けておいた方がいいかなと、漠然とした気分で選んでいましたが、自分と周囲の状況、配偶者や子供の有無など、いくつもの選択肢を経て選ぶ必要があることもびっくりでした。

ライフイベントに合わせての見直しも必要だったり、やはり面倒だなという気持ちになってしまいましたが、そんなときほど、独立系ファイナンシャルプランナーに頼るのがおすすめです。

自然と話をしたうえで、ベストな保険を提案してくれたり、時には「あなたには保険はいらない」や、「奥様の方に保険が必要」というアドバイスもしてくれますよ。