【第1回】教えて安部先生!ファイナンシャルプランナーってどんなお仕事

更新日:2022/11/11

第一回、教えて安部先生!

お金の相談はファイナンシャルプランナー(以下:FP)に・・・というのは、よく耳にします。

しかし、お金に関するプロというイメージはあるものの、実際にFPさんに何を相談すればいいのか、FPさんがどんな仕事をしているのか、漠然としている人も多いと思います。

そこで今回から4回に渡って、独立系FPであり『幸せなお金持ちになるマネーレッスン♪』の著者でもある安部智香先生に、アトムくん(の中の人)が、いろいろお伺いしていきます!


安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 安部 智香 先生
1967年生まれ 京都市在住
松田聖子、占い、スピリチュアル、引き寄せを愛する独立系ファイナンシャルプランナー。
証券会社にて500名の顧客を担当してきた経緯から、投資系の相談が得意。
個別相談はもちろん、大阪と京都で開催している月1回の少人数制お茶会セミナーでは、マネーの勉強をしながらも気軽にいろんな相談ができると人気を博している。

■資格
ファイナンシャルプランニング技能士2級
ファイナンシャルプランナー(AFP認定者)
一種外務員資格

ファイナンシャルプランナー(FP)ってどんなお仕事?

もういきなりお伺いしてしまいますが、FPってどんなお仕事なんですか?

「FPの資格を取るためには、ライフプランニング、保険、金融、相続、不動産、税金という、6つの分野の勉強をする必要があります。

ライフプランニングとは、結婚や出産、家を買うなどのイベントや実現したい夢に合わせて、どんなことが起こるかを考え、お金が必要になるタイミングやその金額の計画を立てること。

保険はリスクマネジメント、金融には投資や貯金などが入ります。

この6つの項目に関して、幅広い知識を持つのがFPであり、お金のことに関して、いろんな相談に乗れるお仕事っていうことですね」

なるほど。でも、FPさんのプロフィールなどを見ると、FP技能士やAFPCFPと書かれているのを見ますが、この違いは何でしょうか?

「大きく言うと、FP技能士は国家資格、AFPやCFPは民間資格です。

ファイナンシャルプランナー(FP)ってどんなお仕事?※生涯学習のユーキャン:ファイナンシャルプランナーコラムより画像引用

FPを仕事としてお客様の相談に乗るのであれば、2級FP技能士、もしくは同等のAFPを持っている人以上の資格があれば安心だと思います。

企業に所属して自社の商品の販売をメインにしている人、例えば保険会社で説明をしてくれる方々は、FP3級技能士の方もいらっしゃいます。」

それに、安部先生はプロフィールに独立系と書かれていますよね?それはなぜですか?

「FPには、企業内FPと独立系FPの2タイプあるんです。

企業内FPというのは、保険会社や証券会社、銀行などに所属して、その所属会社から給料をもらい、所属している会社の商品を販売するのが仕事です。

独立系FPは商品販売を目的とせず、お客様からの相談をメインにするフリーランスですね。中立の立場で公平なプランニングができるのが強みです。」

じゃあお金や保険のことを相談するなら、独立系FPさんが良いってことでしょうか?

「一概にそうとは言えません。企業系FPさんも、その会社の商品に限定はされますが、その中で要望に沿ったものをおすすめしてくれるわけですし、とても詳しく説明してくれます。

ただ、独立系FPの場合は、例えば保険などであれば、保険に入る必要があるかどうかからの相談になるんです。

預貯金がたくさんあったり、会社からの補償が手厚かったりするのであれば、保険に入る必要がないかもしれないですから。」

誰もかれもFPさんを一括りにするのではなく、どんな目的で、どんな相談に応えてくれるFPさんかを見極める必要があるってことですね。

投資は余っているお金を増やすためではなく必要な資産を形成するための手段

安部先生のところに相談に来るのは、どんな方が多いんですか?

「私の場合、前職が証券会社ですし、自分自身も投資が好きだったので、投資に関するご相談が多いですね」

投資!セレブなお金持ちが100万円とか200万円のお金をFPさんにポンと渡して、これ増やしといて~みたいなやつですよね。

「確かに以前は、銀行に眠っている資産を増やすために投資や運用をお願いされることもありましたよ。

でも今は、将来的に必要な資産を形成するために、早めに少しずつ、長期的な投資を行う人が多いんですよ。

実はいま、満20歳から60歳までの人は、大抵の人が投資を行っているんですよ。もちろん、アトムくん(の中の人)も投資してる最中だと思いますね」

えぇっ?投資なんてしてないですよ~。そんなお金の余裕ないです。

「年金って納められてますよね?年金って実は投資なんですよ。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という組織が、皆さんから集めた資金を運用して、年金として払っているんですから。

アトムくん(の中の人)も意識していないだけで、老後の資金を形成するために投資していたんですよ。」

年金が投資だなんて知らなかった・・・。積み立てるとか、老後に備えることも投資なんですね。

「投資というのは手段なんです。今は銀行の金利が低く年率0.01%なので、100万円を預けていたとしても、1年間の利息は100円ですよね。

でも、投資信託などを利用すれば年3.0%程度の利回りを期待することができるので、少しでも早いうちから活用すると複利も大きくなります。

今はスマホ投資もあるので、100円から投資を行うことも可能ですしね。

でも、あくまでも貯蓄ではなく投資ですから、元本保証はないことが多く、運用していた金額が半分になった・・・なんてことも、可能性としては0ではありません。

その場合も、自分がどこまで我慢できるか。マイナスになった時、元本割れしてもどこまで大丈夫かということを、しっかりと考えておくことが重要ですね。

いつ、何のために、どのぐらい投資したいか。3年後に使う予定の結婚資金を投資に使って、いざ3年後なってみたら資金が半分になってしまっているから結婚ができないなんて、とても悲しいじゃないですか。

中長期的に運用できる分のお金を投資に使い、2~3年後に必要な資金に関しては、投資ではなくて定期預金にしておくとか。計画性も大事ですよ。」

私は貯めておける資金があるなら国債を買えと、親に言われたこともあるんですが。国債とかってどうなんでしょう?

「銀行の金利年0.01%に比べて、国債は年0.05%が保証されています。株や投資信託は元本割れが心配・・・という人は、良いと思いますよ。

投資信託に国債、スマホ投資など、選択肢はいろいろあるので、自分のライフスタイルや目標に合わせて長い目で見ることが大切です。

少しでも早い時期から投資をすることによって、10年後、20年後の資産形成が変わってきますから。

投資はあくまでも資産形成であって、博打ではないことをしっかりと理解してほしいと思います。」

生活や資産を見直し不安をとりのぞくことを大切にしています

生活や資産を見直し不安をとりのぞくことを大切にしています

FPさんに相談に行くとき、通帳や家計簿、給料明細や保険の証券類など、お金に関することは何もかも持って行った方がいいのでしょうか?

「詳細なライフプラン表を作成してほしいという要望があるのでしたら、給料明細や源泉徴収票などが必要になります。

ライフプラン表を作成すると、あなたはこのあたりから赤字になるけど、このあたりでは何万円の貯金が可能みたいな情報まで分かるようになるんですよ。

でも、そのための書類を用意することが面倒という人も少なくないんです(笑)。

だから、最初はメモ書き程度で十分ですので、お給料やボーナスがどれくらいで、貯金がいくらぐらいということは書いてきて欲しいと思ってます。

実際にお客様とお話をするときには、書類をいろいろ突き合わせるより、気さくに会話をしていることが多いんですよ。

他愛もない会話をしながら、お客様がいちばん不安に思っていること、困っていることを見つけて、改善や解消の提案をすることが多いですね。

だからそんなに構えず、気軽に相談に来てほしいと思っています。」

そうなんですね~。勝手なイメージですけど、家計簿とかを見ながら“なんでこんなにムダ使いしてるの!”とか、それこそ家計簿も付けてないなんてって、怒られるんじゃないかと思っていたんです。

「ふふふ。それが本当にその人にとって必要であれば、直してもらうようにチェックは入りますよ(笑)。

そのムダ使いがなくなったらプラスになって、貯金などもできるようになるのであれば、ぜひ頑張ってほしいと思います。

でも家計簿を見ながら怒ったりなんて、私はしませんし、他のFPさんでも聞いたことはないので大丈夫だと思います(笑)。」

相談内容って、保険に入りなおしたいとか、住宅ローンを組みたいとか、すごく明確な必要があるんでしょうか?なぜか分からないけれど貯金ができないとか、将来的になんとなく不安だから相談したいとかではダメですか?

「そんなことはありませんよ。明確なプランがある方もいれば、どのくらいの貯金を持っていれば安心できるのかが分からないから相談に来たなど、みなさんそれぞれです。

老後の貯金がいくら必要かということも、その人にとっての思い描く老後の姿って全然違いますよね。年に1回は海外旅行がしたい人、家庭菜園に精を出したい人、今の暮らしをずっと続けられたらいいと思っている人など・・・。

そういうことをまずお話して、一緒に考えて、これだけ必要になってきますからこうしていきましょうという感じで、アドバイスやお話をしていくことが多いんです。」

確かに!一概に将来や老後と言われても、想像するイメージはみんな違いますもんね。

「例えば老後に必要な金額に関しても、0円から貯めなくてはいけないワケじゃないんですよ。

旦那さんの退職金とか、それまでに貯めている分とか、人によっては親からの相続金が入るかもしれません。

それで賄えるのであれば、必死になって貯金をしていく必要はありませんからね。」

お金は幸せな気持ちで使うところに寄ってくる

老後までに2,000万円貯めないと生きていけないというイメージがありましたけど、0円から貯めなくても良いと聞いて少し安心しました。

「私はお金って、幸せな気持ちで使って欲しいと思いますし、そういう人のところに寄ってくると思うんです。

幸せなお金持ちという言葉が大好きで、それを自分の仕事のキャッチコピーとしても使っているんですけどね。

お金持ちって別に億万長者を指しているワケじゃないんです。ケチケチギスギスするのではなく、自分が幸せだと思っていることに、笑顔でお金が使える人のことです。

お金は貯め込んでいればただの紙切れですし、通帳上であれば単なる活字です。

もちろん、お金自体が増えることに幸せを感じる人もいるとは思うのですが、お金は幸せなものと交換する道具ですから。

例えば、目の前のバッグを買いたいというような物欲と、老後を豊かに暮らすというのは、同じことだと思うんです。

老後のためにお金を貯めることを、貯めないとダメと苦痛の中で貯めるのではなく、幸せな自分の夢のために貯めるのですからね。」

同じお金を貯めるにしても、気持ち次第で全然違いますね。

「夢をかなえるための努力は、苦痛じゃなくなりますよね。

お金は皆さんに幸せになってもらうために存在するもので、決して不安や不幸を味あわせるものではありません。

お金があることが幸せなんじゃなくて、お金は夢をかなえる道具なので、その夢と交換する分だけは必要だと思って欲しいです。」

なんだか、前向きになれた気がします!FPさんは、お金に関して後ろ向きになりがちな状況を、前向きにしてくれるお手伝いをしてくれるんですね。

「そうですね!そう思ってもらえたらホントにうれしいです!お金に関して不安や心配なことがあるのなら、ぜひ一度、相談に来てほしいと思います」

インタビューが終わって
アトムくん(の中の人)の感想

ファイナンシャルプランナーといえば、数字に強くて固いお仕事・・・と勝手にイメージしていたので、経理のお局様的な人かと思っていました(←超失礼)。

でも、FPの安部先生にお会いしてみたら、気さくに話ができるとてもキュートな方でした!

今回、特に印象的だったのは“お金は幸せと交換する道具だと思って欲しい”ということ。

お金を貯めたその先に何が待っているのかを考えると、どのくらいの金額を、どれくらいの期間でという具体的なものが見えてきます。

すると、なんだか将来的に心配だなぁという漠然とした不安が解消され、前向きになれた気がしました。

FPさんに相談するのはハードルが高いような気がしていたのですが、自分の生活やお金の使い方の見直し、将来的にかかる費用など、もっと身近な存在として相談したいですね。

4回を予定しているインタビュー。次回は保険に関してお伺いしたいと思います!