銀行カードローンの総量規制について5つの疑問を徹底解説

更新日:2022/11/15

銀行カードローン_総量規制

銀行カードローンは、審査次第ではあなたの収入に関係なく融資が受けられる、便利なカードローンです。

銀行カードローンが便利な理由は、銀行が総量規制の対象外だから。

ところでみなさん、総量規制ってご存知ですか?

総量規制とは法律の専門的な言葉なので、普段の生活ではあまり耳にすることがありませんよね。

総量規制についてなんとなく知っているという方の中にも、「なぜ銀行カードローンには総量規制というルールがないのか」という詳しい事情までは知らない方が多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、銀行カードローンと総量規制に関する疑問を5つ取り上げ、一つずつご説明しようと思います。

総量規制に関する知識がある人もない人も、きっと役立つ情報がありますよ。

この記事の執筆
編集長タナカコウイチロウ 氏
アトムくん編集長_タナカ
2級FP技能士。利用中のカードローンはアコム→楽天銀行スーパーローン・アイフル・プロミス。過去には父の借金で一家離散を経験するも、奨学金のおかげで大学進学。借金の酸いも甘いも知るアトムくんの編集長。

そもそも総量規制とは

銀行カードローンと総量規制に関する疑問で、今回取り上げるのは以下の5つ。

銀行カードローンと総量規制の5つ謎

  • 総量規制って一体何?
  • どうして消費者金融と銀行ではルールが違うの?
  • 銀行から他社の借入件数を聞かれるのはナゼ?
  • 保証会社が貸金業者の銀行カードローンは総量規制対象?
  • 主婦(主夫)だけど銀行カードローンならどこでも融資可能?

まずは「総量規制っていったいなに?」という疑問を解決していきます。

総量規制のを簡単にいうと、「貸金業者が個人にお金を貸すときは借り手の年収の3分の1を超えるお金を貸してはいけませんよ」というものです。

なぜこのようなルールがあるのかというと、総量規制が作られる以前には、一部の貸金業者(サラ金や闇金など)による異常な高額貸付や高金利貸付が横行し、それによって自己破産や自殺に陥る人が多かったからです。

そのような事態を打開すべく、国は貸金業法という法律を見直し、貸金業者による個人への過剰貸付を防ぐための決まりを作りました。

この改正貸金業法により制定された新たなルールが、今回ご説明していく総量規制です。

総量規制が定められている貸金業法は、消費者金融や信販会社のような貸金業者を対象とした法律。

いっぽうで貸金業者ではない銀行には、貸金業法ではなく銀行法が適用されるため、厳密には総量規制は関係ありません。

ただし銀行カードローンなら、年収の3分の1以上借りられるとも限らないのです。

総量規制がないのに年収の3分の1以上借りられない理由

「総量規制がないのに年収の3分の1以上借りられないってどういうこと?」とモヤモヤする方もいらっしゃるでしょう。

そこで上記のモヤモヤを、金融庁に直接投げ掛けてみました。
金融庁の回答は、以下の通りです。

銀行カードローンは総量規制の対象外なのでしょうか?

金融庁スタッフ
はいその通りです。貸金業者と銀行とでは適用される法律が違うからです。総量規制は貸金業者に向けた法律での決まりなので、銀行とは関係がないのです。

なぜ総量規制は貸金業者だけに向けた法律なのでしょうか?

金融庁スタッフ
総量規制が作られた当時、銀行にはかつての貸金業者のような過剰貸付をする企業がなく、トラブルになっていませんでした。そのため、総量規制は貸金業者だけを対象とされたのです。

でも、銀行に対してはそのような規制がないというのは、おかしな話ではありませんか?
もし個人に対し無責任な貸付をする銀行があったとしても、その銀行は法律上罪には問われないのでしょうか。

金融庁スタッフ
もっともなご指摘です。しかし残念ながら、現時点で銀行に向けた総量規制に該当するような法律は存在しません。その代わり、銀行は金融庁の監督の下業務を行っています。

なるほど。金融庁の監督とはどんなものですか?

金融庁スタッフ
金融庁は銀行に向けて監督指針(ガイドライン)を示しています。その内容は多岐に渡りますが、例えば銀行が個人向け貸付をする場合、債務者の経済能力や返済能力を踏まえて、客観的に融資額を決めなければいけない、ということが示されています。

つまり銀行は金融庁の厳しい監督の下業務を行っており、そもそも無責任な貸付はできないシステムになっているのです。

もし金融庁の監督指針に銀行が違反したときには、直ちに行政処分が下されます。

行政処分の内容は業務改善命令や、業務停止命令、または免許の停止や取り消しなどがあります。

そのため銀行カードローンでは、総量規制と関係なくとも、年収の3分の1以上借りられないような仕組みになっています。

総量規制対象外の銀行があなたに借入状況を尋ねる理由

カードローン審査を受けた経験のある方ならご存知だと思いますが、カードローン審査時には金融機関から必ず聞かれることがあります。

それは、あなたが現在、他社からお金を借りているかどうかということ。

貸金業者があなたの現在の借入件数、借入額を気にする理由の第一には、総量規制が関係しています。

いっぽうで、総量規制の関係ない銀行カードローンでも同じ質問をされるのはナゼでしょう?

その答えには、上のセンテンスでもご説明した、金融庁の監督指針が関係しています。

金融庁の監督指針の中で、銀行は個人に対し無責任な融資をしてはいけないと決められています。

銀行カードローンなら年収の3分の1を超える融資も可能とはいえ、銀行も返済できる見込みの無い債務者に多額の融資をするわけにはいかないのです。

銀行があなたの現在の借入状況を気にするのは、あなたの経済状況を把握し、あなたの返済能力を見極めるため。

逆に言えば、審査の際にいかに自分の返済能力を示せるかが、多額の限度額を勝ち取るためのポイントになるということですね。

保証会社が貸金業者でも銀行カードローンは総量規制対象外

以前、銀行カードローンの保証会社が貸金業者であることを知った人から、このような質問を投げ掛けられたことがあります。

保証会社が貸金業者の銀行カードローンって、貸金業法が適用されて総量規制の対象になるのかな?

結論から言うと、銀行カードローンの保証会社が貸金業者であるかどうかに関わらず、銀行カードローンはすべて総量規制対象外です。

そもそも保証会社とは、銀行カードローンの債務者は借金を踏み倒したときに、債務者に代わって銀行に返済をする業者のこと。

つまり、保証会社が保証する相手は銀行であって、私たち債務者ではありません。

そして、私たちにお金を貸してくれる相手は、保証会社ではなく銀行です。

ですので、銀行カードローンの保証会社が貸金業者であろうとなかろうと、銀行カードローンが総量規制対象外であることには変わりありません。

専業主婦でも借りられるのが銀行カードローン

貸金業者は債務者の年収の3分の1以下の額しかお金を貸すことができないため、本人収入がない方は、貸金業者からお金を借りることはできません。

総量規制の例外である配偶者貸付を利用すれば、法律上は専業主婦の方でも貸金業者からお金を借りることができますが、手続きがややこしいため大手貸金業者のほとんどは配偶者貸付を採用していないのが現状です。

その点、総量規制対象外の銀行カードローンであれば専業主婦の審査も実施。

銀行カードローンなら専業主婦でも融資が受けられるんだね!
ちょっと待って金田くん!
銀行カードローンの中でも、専業主婦への貸付をしていない銀行や、限度額に上限を設けている銀行があるんだ。
ちゃんとチェックしておこうね。

銀行カードローンの中でも、三井住友銀行カードローンでは専業主婦を利用対象外としており、申し込むことができません。

このように、銀行カードローンの利用対象者は商品ごとに微妙に異なるため、二度手間にならないためにも、申し込み前にはきちんとチェックしておくことが大切です。

また、専業主婦が銀行カードローンを利用するときには、限度額よりも金利の低さや使い勝手の良さで商品を選ぶほうが賢いです。

返済負担を少しでも減らして借りれるカードローンを選ばれることをおすすめします。

まとめ

金融庁の厳しい監視のもとカードローンを提供している銀行なら、貸金業者とは違ってあなたの年収の3分の1を超える融資も可能。

総量規制の対象外の銀行カードローンなら、本人に所得のない専業主婦(主夫)のあなたでも審査によって融資が受けられます。

申し込みにあたっては配偶者の年収を聞かれたり、収入証明書を提出する必要もないので安心してください。

ただ本人収入があり、特定の銀行カードローン一社と長いお付き合いをしたいあなたには、金利幅が広い銀行カードローンを選択するのもポイントです。

銀行カードローンでより高い融資額を勝ち取るには、審査の中であなたの信用力を示し、返済能力をアピールすることがポイントです。